2011年8月8日月曜日

私を動かしてきたもの

自分の仕事の進捗を確認しながら、このところ、あまりの仕事の多さに自分を振り返れていないなぁとちょっと反省。年齢を重ねてやりたい仕事よりもやらねばならぬ仕事が多くなり、その責任も重くなってきたことが原因なのですが、他の先生たちよりもやりたいと思うことが多いというのも事実かもしれないです。

8月に入り、あることがきっかけで、自分の教育観を見直す作業をしています。経験年数だけは毎年重なっていくのですが、自分の中でモヤモヤした気持ちはどんどん増すばかり。このモヤモヤ感の原因は一体何なのか考えてみましたが、ふと、自分が教師になろうと思った頃のことを思い出しました。

私を学校教育界に向かわせたのは、端的に言うと「怒り」でした。穏やかな言い方をすれば「このままではいけないという問題意識」とでも言いましょうか。学習者の立場で考えても、学校教育には矛盾がいっぱいあることがわかったし、常に受動的で本当に学びたいことが学べないし、何も考えずに生きるなら楽なのに、何かを変えようとすると途端にいくつもの壁が立ちふさがるし。およそ「人を育てる場」になっていない学校の姿に怒りを感じたのが最大の理由でした。
#もちろん、採用試験の時はそんなこと言いませんでしたよ。(^_^;;;

当時から、そのすべてが先生のせいだとは思っていませんでした。良い先生にはたくさん巡り会えたし、そういう先生方から学んだことは、今でもとても貴重なものだと思っています。問題は、日本の学校教育システムそのものにあるのだと思います。しかし、私にはそれを変えるほどの力などあるはずもなく、せめて目の前に居る子どもたちにだけは、現状のシステム下でもできる理想的な学習場を提供したいと考えて教員になったのでした。

その意味で、はじめから孤独だったし、自らストイックに学び続けることを目指し、様々なチャレンジをしてきました。問題意識から行政にも働きかけたり、行政の仕事もお手伝いしたりしました。そんな中で、少しずつ見えてきた学校教育システムが抱えるがんじがらめの現状。こんな中で正気でいられること自体が不思議でならない。その昔、高校生だった頃に考えていた、「何も考えずに生きるなら楽なのに…」という記憶が頭をよぎります。先生たちも、矛盾だらけの学校システムの中で、受動的な研修や事務仕事に時間を潰され、問題意識を持っていたとしても、多くの壁に阻まれて結局何一つ変えることが出来なかったのだなぁと。

今から30年前に書かれた本の中に、親の理不尽要求にさらされる学校の現状や学習者の怠惰な状況に対する警鐘のようなものを発見して、30年もの長きにわたって何一つ変えることが出来なかった学校教育の問題が一層はっきりしてきました。今、学校教育の業界内で信じられている、あるいは、指導されていることの一つ一つを「本当にそうなのか?それでいいのか?」と批判的な目で見直す必要があると思います。

先生や学校は責任ばかりを追求されて、保護されるシステムが存在しないのもおかしい。子どもたちの知的好奇心に揺さぶりをかけるような学習環境にしたいのに、金も人も時間も足りない現状を打開しないといけない。無駄な会議、無駄な報告書、無駄な取り組み、無駄な配布物、無駄な…etcを徹底的に排除して、学校現場では最低限何を優先すべきなのかをはっきりさせることが重要だと思います。
#それを保護者も地域も理解すべき。先生は、スーパーマンじゃないし機械やロボットでもない。24時間365日フル稼働が当たり前という意識を変えていただきたい。
#きっと「そんな風には思っていない」って言うんだろうけど、じゃあ、先生に要求される仕事を時系列で整理してみたら、どれだけになるか調べたことあるの?って聞いてみたい。文句が出ないように、全部やることにしたら更に死人が増えるよ。「先生たちが危ない」って役所や議員に抗議しに行く人って皆無だよね。
#究極的に、自分は誰からも(法律からも)守ってもらえない存在だということがわかっているから、自分で自分を守るしかない。だからどこかで手を抜くことを考えちゃう先生が多い。子どもたちを理解するために児童心理を学び、子どもたちの行動を観察・記録したり、自主的に研究会に参加して先輩たちの経験から学んだり、教科書や学習内容についての研究をして、よりよい教材・教具や指導方法を研究したりすることが大事なんだけど、そういうところで手を抜く。
#これじゃぁ何のために先生をやっているんだかわからないよね。授業力が身につかないから、結局子どもたちにも力がつかない。悪循環だよね。無駄仕事が多すぎるから、サボっていてもわかりにくいって知ってます?やるべきことがはっきりしていたら、むしろサボれないのに。
#世間では「学校不信」なんて言うけど、先生たちの「学校教育システム不信」についても考えなければいけないと思う。

立場や肩書きなどどうでもいい。子どもたちを目の前にしたら、そんなものは何の役にも立たない。怒りの炎が青く熱く燃えてきたぞ。

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