2021年5月22日土曜日

超古いMebius(PC-AL50G5)のHDD(IDE)をSSD化する

おそらく、既に「こいつ何をやっているんだ?」レベルなのだろうと思うのですが、Puppy Linux(本家Puppy Linux)で動かしている超古いSHARPMebius PC-AL50G5に載っているHDDをSSD化するという話です。需要がないとわかっていながら、これまでの続きをやっていきます。

既に知らない方も増えているのではないかと思うのですが、昔、PCにHDDを接続すると言ったらIDEという規格を用いるのが一般的でした。きしめんケーブルとも例えられる平たいケーブルでつなぐあれです。今回使用しているMebiusは、ラップトップPCなのできしめんケーブルはありませんが、IDE接続です。ただでさえ、メモリーからでも起動できるほどの軽いPuppy Linuxを入れているため、使った教職員や子どもたちから「こんなに古いパソコンが、こんなに速く動くなんて衝撃的」と言われるほどの速さです。これ以上何を望むのかと言われたらそれまでなのですが、将来的にIDE接続のHDDは消滅していくであろうことを考えると、今のうちに手に入るもので、できるだけ快適な環境にしてしまいたいと思ったわけです。

用意したのは、mSATAのSSDとそれを載せてIDE接続のドライブとして使えるようにするエンクロージャーです。初めてこの存在を知ったとき、「その手があったか!」と感激すると同時に、細々とではありますがIDE接続のSSDに需要があることを知って嬉しくなりました。今回用意したmSATAのSSDは、DOGFISH TECHNOLOGYからGamerKingというブランド名で販売されているシリーズの128GBモデル(read:540MB/s write:500MB/s)をチョイス。Amazonで安かった上にさらに割引されてポイントが付いたので衝動買したものです。エンクロージャーは、基盤にNFHKとシルク印刷されており、型番はN-2507Iのようです。ハッキリとした情報に行き着くことはできませんでしたが、中国の深セン市にある企業のものであることまではわかりました。他にも似たような別の製品を購入してみましたが、中国からの発送(mSATA SSDは120GB read:420MB/s write:300MB/sのもの)だったため、到着が遅れているようです。国内発送のものがSSDとエンクロージャーで約4,600円程度、中国からの発送のものだと同じような組み合わせで約3,460円程度でした。

これをもともとのHDD(Fujitsuの40GBが載ってました)を外して換装します。HDDからマウント用の金具を外してSSDを載せたエンクロージャーに付け替えて、もとに戻すだけです。続いて、2012年頃にPuppy Linuxをカスタマイズして作ったリマスターCD(Physical Computing Puppy)でMebiusを起動し、「インストール」アプリケーションからインストール作業を行います。推奨されているFrugalインストールを選択します。Frugal Installerからインストール作業を始めると、エラーが出てパーティションの設定を促されます。IDE接続のSSDは、「ATA Dogfish SSD 128G」として認識されました。ガイドに従ってGpartedを起動し、表示されたデバイスを選択してから「デバイス」メニュー→「パーティションテーブルの作成」と進み、mSATA SSDをMS-DOSパーティションテーブルでフォーマットします。「!」が消えるので、次にフォーマットされた未割り当ての領域を選択して、「New」ボタンを押します。すると、新規のパーティションを作成する設定画面が開くので、そのまま「追加」ボタンを押します。次に「適用」ボタンを押すとパーティションの作成が始まります。これで、Linuxではおなじみのext2のパーティションが1つ出来上がります。再び「パーティション」メニューから「フラグを編集」を選んで「boot」にチェックを入れて閉じます。

Gpartedの画面を閉じると再びFrugal Installerが開いて、どこにPuppyをインストールするか聞かれるので、先程作ったパーティションを選択して「OK」ボタンを押します。しばらく待つとPuppyのインストールが完了しますので、後もう少しです。ガイドに従ってブートローダのインストールを行います。Grub4DosConfigを使ってブートローダを設定します。IDE接続したSSDのMBRにインストールされるので、特に何もいじらずに「OK」ボタンを押して作業を進めます。いくつかの質問にも「OK」ボタンで進めると、無事にブートローダの設定が完了します。

最後に、Frugal Installerを閉じて再起動します。リマスターCDを抜いてSSDから起動すると、無事にSSDから起動しました。そもそも軽いOSなので体感上の差は余り感じられません(否、やっぱり起動は速い気がする)が、不具合がないかいろいろといじっていきたいと思います。

【追記】Linux版Scratch 1.4の日本語入力ができない問題を解決するため、エディタで日本語文字列を作ってコピペするのですが、ペーストがうまく行かない問題が発生していました。(他の17台の中にも同様の症状があった)いろいろやっていると、Puppyの「メニュー」から「デスクトップ」→「Glipper」を起動すると、その後もCtrl+cとCtrl+vでコピペができるようになりました。(2021.5.22)

2021年5月16日日曜日

超古いMebius(PC-AL50G5)の液晶モニタを交換する

全く需要があるとは思えないのですが、苦労したので自分の備忘を兼ねてまとめておきます。

某研究で頂いたSHARPMebius PC-AL50G5の話です。過去にも記事にしていたもので、かなり古いものではありますが、Puppy Linux(本家Puppy Linux)で動かしていて体感上はかなり快適に動くようになっています。とは言え、経年による不具合は避けられず、使用を続けるには厳しい状況にあります。
#既に某研究に関するサイトが消えかかっていて、当時のニュース記事くらいしか出てきませんでした。
Linuxデスクトップ,学校へ行く---1CD Linux「KNOPPIX」編
IPAが教育現場でLinux導入実験、教員の80%以上が「授業に支障なし」

しかしながら、詳述できない諸般の事情により、再び活躍する日がやってきたのです。(驚愕と困惑)最後に子どもたちが使ったのは、5年以上前のこと。それ以来、細々とメンテナンスを続けていましたが、立場的にも多忙を極める状態になったこともあり、この2年ほどは全く使っていませんでした。

もともと全部で20台あったのですが、マザーボードやCD-ROMドライブなど、いろいろなところで不具合が発生していて現役を引退してしまったものが2台あり、5年前までは18台が使える状態でした。この18台の動作確認をしたところ、1台だけ液晶モニタの内側にカビらしきものが発生していました。そこで、現役を引退してしまった2台の中から、液晶モニタの状態が良さそうなものを選び、移植することにしました。

いろいろと試行錯誤してかなり時間はかかりましたが、以下のような手順でやると簡単に移植することができることがわかりました。

  1. 電源やバッテリーを外す(基本)
  2. PCの底面ネジを4箇所外す
  3. メッシュ部分を外す
  4. ヒンジのカバーを外す
  5. 液晶モニタと本体をつないでいるコネクターと液晶モニタのネジ(1箇所2本、左右で4本)を外すと液晶モニタ部分だけ外せる

写真は既に液晶モニタを外した状態で撮影していますが、外す箇所はわかると思います。これを左右両方で行います。液晶モニタと本体をつなぐコネクタは、線が細くて華奢な感じがするので慎重に抜きます。取付は、この逆の手順で行います。ということで、無事に1台の修理に成功しました。これで、子どもたちに使ってもらえるものを確保することができました。

この過程で、現役を引退していた2台のうちの1台が、使えるところがなくなるまでバラバラになってしまったため、廃棄することにしました。残った方もかなりバラバラになりましたが、部品としての需要があるため保管することにしました。つい先日まで、いつ捨てようかと思っていたので、本当に捨てなくてよかったと思いました。

【追記】残りの17台も含めて、ボタン電池(CR2032)の交換作業を行いました。いつ交換したのかわからなかったので、全部交換しました。Li-ionバッテリー(CE-BL38)は、劣化してしまっているのが5つありました。充電をせずに放置していたことが原因と考えられます。捨てるつもりだったことがとても悔やまれるところです。バッテリーなしでも動くので、問題はないのですが。(2021.5.17)