前回の続きです。秋月電子通商で購入した「MKZ4」という、タミヤのワイルドミニ四駆をiPhoneなどのスマホから無線で動かせるように改造するキットを使ってみるという話です。フィジカル・コンピューティングの教材ネタとして購入したものの、いろいろとつまずいてしまって完成までに時間がかかっています。
#MKZ4は、メーカーサイトでも売り切れています。
前回は、メーカーサイトの説明書を読みながらMKZ4のはんだ付け作業を行ってきました。今回は、基板上にはんだ付けした「ESP-WROOM-02(ESP8266EX)」モジュールにプログラムを流し込んでいきます。使用するツールは、Arduino IDEです。Arduino IDEでESP-WROOM-02のプログラミングをする場合は、マイコンボードに合わせた設定を行わなければなりません。すでにArduino IDEをESP8266のプログラムに対応させているのであれば、以下の作業は必要ありません。はじめてArduino IDEでESP8266を使う場合には、以下の作業を行ってください。(Arduino IDEが起動している状態からの作業になります)
- 「Arduino IDE」メニューから「Preference(基本設定)…」を選択して設定画面を表示させる
- 「追加のボードマネージャのURL」欄に
「https://arduino.esp8266.com/stable/package_esp8266com_index.json」
と入力して「OK」ボタンを押す - 「ツール」メニューから「ボード:… >」→「ボードマネージャ」とたどり、検索窓に「esp8266」と打ち込むとESP8266用のプログラムが表示されるので、最新版をインストールする
#MKZ4のマニュアルサイトでは、追加のボードマネージャのURLが「http://arduino.esp8266.com/stable/packageesp8266comindex.json」となっていますが、上記で示したURL(「https://…」から始まる)に変更されているようです。
ここまでで、Arduino IDEの準備は終了です。ESP-WROOM-02モジュールに書き込むプログラム(.ino)を用意します。プログラム自体はgithubの「cerevo/MKZ4」にあるので、「< > Code」ボタンをクリックして「Download ZIP」を選択してダウンロードしておきます。ダウンロードした「MKZ4-master.zip」を解凍すると、「MKZ4-master」というフォルダが現れるので、その中から「Cerevo_MKZ4」というフォルダをArduinoのプログラムを保存してあるフォルダに入れます。
#Arduino IDEを起動したときに、(任意で変更していなければ)「書類(Documents)」フォルダ内に「Arduino」フォルダが作られると思いますので、この中に入れるのが一般的だと思います。
次にボード側の作業をします。MKZ4のCN3(L字ピンヘッダ)のショートピンをD側にして、「MKZ4WK(専用の書込ツール)」をつなぎます。ここから、USBケーブルでコンピュータにつなぎます。
「ツール」メニューから「ボード:… >」→「ESP8266 Boaards(…)」とたどり、「Generic ESP8266 Module」を選択します。ポート名は環境に依存します(LinuxやmacOSでUSBシリアル接続すると「/dev/…」から始まるポート名が使われています)ので、USBケーブルで接続してみて表示されたものを選択しました。はじめは、MacBook Proで動かしているArduino IDE(2.x系と1.8.19の両方)を使いましたが、残念ながら途中でエラーを吐いてうまくプログラムを書き込めていない様子。例によって、USBシリアル通信がうまくできていないようなので、続きの作業をLinux Mintで動かしている自作PCを使ってやってみました。すると、2.x系も1.8.19も無事にコンパイルと書き込みができました。
#一度コンパイルと書き込みをしてから再び書き込む必要があった場合には、USBケーブルを抜いて接続を切って再度挿し直しをしないとエラーが出るようです。
あとは、説明書に従って走行できる状態まで組み上げていきます。MKZ4制御基板のCN3ショートピンは、B側にしておきます。
反省点は、完成までに数年かけてしまったことで、ネジ類が他のものと混ざってしまって焦ったことでした。幸い捨ててはいなかったので無事に組み立てられましたが、忘れないうちに一気に組み立てた方がよいですね。iPhoneからの動作確認は次回ということで。
〈参考資料〉
「ワイルドミニ四駆をiPhoneからリモートで動かす」
- 組み上げる前までの準備として
- MKZ4をiPhoneからコントロールする