2012年7月30日月曜日

教育の情報化と情報の遺跡化

「教育の情報化」という名目で、パソコンを中心とした情報機器が学校に導入されています。しかし、それを管理する人が位置づけられていない(そもそも管理する人が必要だという認識さえない)ために、ファイルやフォルダの保存場所やその名前の付け方もバラバラで、各自の使いやすいように勝手に使っているのが現状だと思います。そのため、ファイル化され蓄積されたはずの情報を後から参照したり再利用したりするのがとても難しい現状があります。

学校教員のITスキルは、かなりお粗末と言って良いです。これは、教員という仕事の特質的な問題でもありますが、いわゆるルーチンワークでは対応できない学校現場の実態も背景にあると思います。何と言っても、そんなことに時間を取られている場合ではないくらいに多忙であることが大きいでしょう。
#むしろITスキルの向上に力を入れなければ使えないようなシステムでは、学校現場では役に立たないと言って良いと思います。

そのためもあって、情報を共有したり、後で参照したりしやすいような管理をすることが意識されていないことが多いのです。ファイル名やフォルダ名、階層の作り方などが全て自己流だし、その時の気分であっちこっちに作ってしまうので検索性はかなり低い状態です。結局、ある仕事を別の人が担当する(例えば学年が変わる、主任職が代わるなど)ことになったときには、新しくファイルやフォルダを作り直して使うしかないということになります。となると、かつてのファイルは活用されることなくサーバに取り残されることになるのです。これを、「情報の遺跡化」と呼ぶことにします。

こうしてできあがった「情報遺跡」は、学校の中でサーバを圧迫し、それぞれのパソコンのメンテナンスを難しくさせていきます。パソコンは数年で廃棄となり、また新しいものがやってくるので遺跡化もそこでストップしますが、サーバに残されたデータはその後も残り続けます。"誰か"が思い切って捨てない限り(これがまた怖いのですが…)永遠に残り続けるのです。もしかすると、多くの学校で誰も手を付けられない遺跡となった情報があるのではないでしょうか。夏休みの間に、遺跡化を防止する情報管理の仕方を研修するというのも大切なことではないかと思っています。

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