2022年10月24日月曜日

IJUtilitiesを使ってMacからIchigoJamのファームウェアを更新する

事情(詳細は後日)により、IchigoJamを使ってみようと思いたち、いろいろ試すために買っておいたIchigoJamたちを引っ張り出してきました。電源をつないでキーボードをつないでモニタをつないで電源スイッチを入れたところ、どうもキーボードの動きがおかしいのです。そもそも自宅にはUS配列のキーボードしかありありません。つまり、ファームウェアを更新してUS配列のキーボードに対応したものにする作業をしていなかったのです。 

以前、IchigoJamのファームウェア更新は経験したことがあります。このときは、Maclsp21isp.appを使ったのですが、その後IJUtilitiesというソフトを使った書き込みを試そうとして、途中で放置してしまったのではないかと思います。そこで今回は、改めてMac上のIJUtilitiesでIchigoJamのファームウェアを更新する作業をしてみたいと思います。

今回更新に使うIchigoJamファームウェアは、1.4.3にしました。1.5はRISC-Vチップ対応ということで、互換性はあるように作られているのでしょうけれど、余計なものが入って動作が不安定になることや新しいものにはバグが存在することを疑って1つ前のものにしました。

まずは、IJUtilitiesをダウンロードしてアプリケーションフォルダに移動(コピー)します。(以前に使っていたものは、フォルダごと削除しました)次に、IJUtilitiesを起動するとFontのインストールを促されます。必要なFont自体は、ダウンロードしたIJUtilitiesの「Font」フォルダに入っているので、.ttfファイルをダブルクリックするとFont Bookが起動して簡単にインストールすることができます。IJUtilitiesが起動したら「環境設定」→「Utilities」と進み、「lpc21isp File」としてIJUtilitiesの「lpc21isp」フォルダ内の「lpc21isp」ファイルを選択します。
#はじめてIJUtilitiesとlpc21ispを起動する際、アプリケーションの開発元が確認できない旨のメッセージが出ることがあります。「システム環境設定」の「セキュリティとプライバシー」の設定で起動することができるようになりますが、自己責任ということで。

ここでUSBシリアル変換モジュール(遠い昔Amazonで購入したFTDIFT232RL搭載のもの=設定は3.3Vでやってみました)を使います。USBシリアル変換モジュールのRXD、TXD、GNDをIchigioJam(NXP LPC1114ARM Cortex-M0)のTXD、RXD、GNDにつなぎます。(RXDとTXDはクロスしてつなげる)IchigoJamのISPとGND(2箇所ある)もつないでおきます。この状態で、MacとUSB接続して準備完了です。(最近のMacBookを使っている場合は、USB-C→USB-A変換ケーブルが必須です。カードリーダーなどがついた多機能なものを使っている場合は、USBシリアル変換モジュール以外のものをつながないで使うと良いようです)

IJUtilitiesに戻って「スキャン」ボタンを押して、「usbserial-xxx…」を選択して「接続」ボタンを押します。ツールの「Firm 書換え」ボタンを押してFirm:にあらかじめダウンロードして展開しておいたフォルダの中から「IchigoJam-jp-ntsc-uskbd.bin」を選択しました。ここでIchigoJamの電源を入れて、IJUtilitiesの「実行」ボタンを押してしばらく待ちます。うまく行かないときは、IJUtilitiesを終了して起動し直すと成功率が高くなるように感じました。(どうしても1つだけうまく行かないものがありました) 

SkyBerryJam取説)とIchigoLatteもそれぞれファームウェアの更新に挑戦しました。感動的だったのはSkyBerryの方。USBシリアル変換モジュールを介さずに、直接Macにつないでファームウェアの更新ができてしまったことでした。これで、それぞれの環境でUSキーボードが使えるようになりました。

2022年10月23日日曜日

N680GTX Twin Frozr III OCを使ってみる

グラボの動作確認に続きができてしまいました。特に何かを探していたわけではなかったのですが、ふらっと寄ったHARD OFFで偶然MSIN680GTX Twin Frozr III OCというグラフィックボードがジャンクのショーケースにあったので衝動買い(税込3,300円の動作未確認ジャンク)してしまいました。自宅には、以前にジャンク品として購入したZOTACGTX 670(税込2,750円)があり、動作確認もできているのですが、80番台は持っていないので10年前のグラボだけれどどのくらい使えるものか試してみたくなってしまったのです。

見た目は比較的きれいな感じでしたが、まずは外側から薄っすらとついていたホコリをエアダスターで取り除きました。次にファンと一体になっているヒートシンクを外してエレクトロニッククリーナーで全体的に掃除をしたあと、グリス(TF8)を塗り直しました。ヒートシンクは掃除機やエアダスターでホコリを取り除き、無水エタノールでグリスを完全に拭き取りました。(表面実装部品を削り取らないよう注意が必要)両方の準備ができたところで元の状態に戻し、各ポートは接点復活剤(KURE CRC 2-26)を塗布しておきました。

一通りメンテナンスが終わったのでLinux Mintで動かしているベンチ台PCにこのN680GTXをセットして電源を入れたところ、何の問題もなく起動してくれました。FANもとても静かで動作も問題ありませんでした。YouTubeで動画を視聴してみましたが、GPU温度が30→33度くらいまで上がることはあるもののFANの回転数も上がらないし、ほとんど変化がないと言って良いくらいです。試しにBlenderで3Dレンダリングをやってみましたが、これも問題なくできました。(他のグラボでやってみてどのくらい違うか試してみるのと、Blenderの日本語対応もやってみようと思いました) 

GPUZooで、手元にあるだいたい同程度の3つのグラボ(GTX 670、N680GTX、GTX 1050Ti)のスペックを確認すると以下のような感じでした。

〈GTX 670〉

  • Architecture : Kepler
  • Process : 28 nm
  • Transistors : 3.54 billion
  • Base clock : 915 MHz
  • Boost clock : 980 MHz
  • Memory : GDDR5 2048 MB
  • Memory clock : 1502 MHz(256 bit)
  • CUDA cores : 1344
  • Maximum power draw : 170 w

〈N680GTX〉

  • Architecture : Kepler
  • Process : 28 nm
  • Transistors : 3.54 billion
  • Base clock : 1058 MHz
  • Boost clock : 1124 MHz
  • Memory : GDDR5 2048 MB
  • Memory clock : 1502 MHz(256 bit)
  • CUDA cores : 1536
  • Maximum power draw : 195 w

〈GTX 1050Ti〉

  • Architecture : Pascal
  • Process : 14 nm
  • Transistors : 3.3 billion
  • Base clock : 1290 MHz
  • Boost clock : 1392 MHz
  • Memory : GDDR5 4 GB
  • Memory clock : 1752 MHz(128 bit)
  • CUDA cores : 768
  • Maximum power draw : 75 w

2022年10月21日金曜日

KORGのSQ-1(ステップシーケンサー)で古いMIDI音源を鳴らしてみた

前回の続きです。KORGSQ-1(ステップシーケンサー )と同X5DR(←取説のPDF)をつないで音が出るか試してみました。付属のTRS/MIDIケーブル(メス)とMIDIケーブルでX5DRにつなぎます。後は両方の電源を入れてSQ-1の再生ボタンを押すだけです。音を鳴らすパターンや音域、調を変えてみましたが、いずれも問題なく動作しました。

もう1つ、RolandSC-55mkII(←取説のPDF)もつなげてやってみましたが、こちらも動作に問題はありませんでした。続けてSQ-1(MIDI OUT)→X5DR(MIDI IN)・(MIDI THRU)→SC-55mkII(MIDI IN 1)でも問題なく動作しましたし、さらにSC-55mkII(MIDI THRU)→volca fm(MIDI IN)をつないでも問題なく音が出ました。 

ちょっと気になったのは、さまざまな楽器や音楽機材(ミキサーやアンプ内蔵スピーカーなど)の電源を入れて、MIDI接続ができる楽器のMIDIケーブルの抜き差しなどをして、SQ-1の音程のセッティングいじったりしていると、音が安定しないと感じたことでした。複数の楽器や音楽機材の電源を入れると消費電力が大きくなるので、電源電圧の降下が懸念されます。自室でPCやゲーム機などの他の機器を動かしながら楽器や音楽機材の電源を全部入れたら、ブレーカーが落ちる可能性はありそうです。今回はそこまですべての電源を入れたわけではないのですが、本気でやるなら他の機器の電源を落としてからやらないと安定しないかもしれないと思いました。(それはそれで面倒ですが…)楽器用のパワーサプライがあるので、そこから電源をとったらもう少し安定するのかもしれません。今後検証してみたいと思います。

さて、とりあえずの最小構成でSQ-1とMIDI音源にバックを任せてMIDI入力が2系統あるSC-55mkIIにPC-300(←取説のPDF=MIDIキーボード)をつないで即興演奏を楽しんでみました。エフェクターを噛ませていないので素朴な音でしか鳴りませんでしたが、十分使える環境を構築することができそうです。ただ、SQ-1との相性からすると、X5DRやSC-55mkIIのようなマルチティンバー音源が相手ではちょっともったいない気がしてきました。自室には、マルチティンバーに対応していない音源モジュールもあるので、今後試してみたいと思っています。また、volcaシリーズには他にも様々な楽器があるので、アナログシンセやリズムマシーンあたりを揃えると、さらに表現の幅が広がる気がしています。

2022年10月15日土曜日

KORGのSQ-1(ステップシーケンサー)でvolca fmを鳴らしてみた

前回の続きです。KORGSQ-1(ステップシーケンサー )とvolca fm(ver.2)をBOSSのTRS/MIDI(オス)ケーブル(BMIDI-1-35)でつないで(SQ-1側は、付属のTRS/MIDI(メス)ケーブルを使用)音を出してみました。結論から言うと、当たり前のように普通に音が出ました。一緒に購入し先に届いていたパッチケーブル(TSケーブル)で、SQ-1のSYNC-OUTをfmのSYNC-INとつなぐと、fm側で記録されている楽曲がSQ-1で設定したテンポで演奏されます。

これまでいろいろやってみた中で、一番の驚きはMIDIがTRS規格でコントロールできるようになったこと。MIDIが便利な規格であることは、だいぶ昔から愛用しているので知っていたのですが、コネクタの形状がどうにも不格好で大きすぎやしないかと思っていました。ところがTRS/MIDIという規格では普通の3.5mmステレオミニプラグが使われており、こんな方法もあったのかと目からウロコ状態でした。

〈参考〉

まぁ3.5mmステレオミニプラグだとヘッドホン端子などの別のものが挿せてしまうため、誤用の危険はあるかもしれません。BOSSのMIDIケーブル(そもそもエフェクター周りで使用するらしい)でTRS/TRSケーブル(BCC-1-3535)を購入してSQ-1とfmをつないでみましたが、これでも普通に音が出ましたし、自宅にあった両端がオーディオミニプラグのケーブルでつないでも問題なく音が出ました。(MMA的には推奨されていないようなので同じことをする場合は自己責任でお願いします)

〈参考〉

TRS/MIDI規格は、MMAで規定されるまでは様々な規格があったようで、形状や見た目が似ていても全くの別ものという場合もあるようです。Amazonなどで安い同種のケーブルを購入して、使えなかったということもあるようなので注意してください。

さて、まだ使い始めたばかりのSQ-1ではありますが、気づいたことをいくつかまとめておきます。

(1) 電池駆動とUSB電源駆動では音がずれることがある?
これは、私の環境が特別だったのかもしれませんが、はじめはSQ-1に付属していた電池を使って動かしていて、その後USB電源に切り替えたときに音にずれを感じました。電池を使って音の調整をしたままの状態で、USB電源を入れて使ったときに感じたので、電圧の違いによって音に違いが出てしまったのかなと思いました。この現象は、アナログっぽくて面白いと思ってしまいましたが、電源の違いで本当に音が変わるのか検証する必要があるかなと思いました。

(2) アナログシンセや簡易なミニシンセだけでなく様々なものにつなげられる
CV/GATEが電圧で制御されていることから、アナログシンセとつなぐことができるし、回路をいじれば簡易なミニシンセ(例えばmonotronシリーズ)ともつなぐことができそうな気がします。また、littleBitsSYNTH KITにつなぐためにはちょっと電子工作的なことが必要なようですが、そこからさらに発展させて、littleBitsのArduinoにつないだり、いろいろなものを動かしたりすることができるのではないかと思いました。

〈参考〉

(3) 機能的には必要十分だしいろいろなことに使えて楽しいのだけれど
アナログとデジタルを融合したようなステップシーケンサーで、できることが必要十分で使い勝手も良い。すごく可能性を感じる上に、コンパクトで安いと申し分ないところなのだけれど、作ったパターンをどのように保存するかが悩みどころ。おそらくMIDI出力をMacなどの音楽系ソフトで吸い込んで、ファイルで保存しておくというのが現実的なところかもしれません。ようするに、1度SQ-1で作ったものを再現するためには、SQ-1の各つまみ位置を何かに記録しておくか、吸い出したMIDIデータなどを使って(SQ-1を使わないで)再現するかということになると思いました。

次は何をつなごうか思案中です。いくつか候補はあるのですが、簡単につなげられるアナログシンセが手元にないところがつまずきどころです。単純にMIDI音源モジュールをつないだり、Macにつないだりするくらいなら簡単なはずなのですがどうなんでしょうかね。

2022年10月10日月曜日

KORGのステップシーケンサー(SQ-1)が届きました

しばらく楽器から離れた生活をしていましたが、家を新しくして自室に楽器を置くスペースを確保したことをきっかけに、再び挑戦してみたくなりました。とは言え、自宅にあるほとんどの機材が微妙に古く、ビンテージと言えるほど人気もなくて安価なものが多いため、どんな環境にしようか(できるのか)思案しておりました。楽器を演奏したりDTM(Desktop Music)環境を構築したりするためにはMacを含むPCたちとつながった方が良いと思うし、何ならLinux Mintで動かしている自作PCとつないでみたいとも思うところです。

そんなことを考えながらネットでいろいろと探していたところ、KORGVolcaシリーズというのを見つけて楽器熱が覚醒。そもそも、Nintendo DS用のKORGのシンセサイザーソフト(DS-10(参考)とM01(参考)=現在は3DS用Switch用のダウンロードコンテンツがあるらしい)やKORGの廉価なアナログシンセ(monotronシリーズ)、littleBitsSYNTH KITなど、KORG製品も愛用しています。

思い返せば、初めてシンセサイザーに触れたのは、中学生の頃。友達の家にあったYAMAHACS01というミニ鍵盤にスピーカーの付いたアナログシンセサイザーでした。その後、高校生になってバンド活動をする中でRolandJUNO-106(←取説のPDF。今はSoftware Synthにもなっていて、Web上で再現されているものもある)を購入。高校卒業までお世話になっていました。(今は既に他人の手に)初めてのKORG製品は、X5DR(←取説のPDF)ですが、これは某キーボード雑誌のプレゼントに応募して当たったものでした。

前置きが長くなりましたが、今回たまたまKORGのSQ-1というステップシーケンサーを見つけてVolcaシリーズやlittleBitsなどと同期させたら面白そうだと思い購入しました。夏休み前の7月7日に、夏休み中のお楽しみにと思ってAmazonで注文したところ、入荷日未定となってしまっていて3ヶ月あまりが経過してしまいました。(当然夏休みはとっくに終わっている)同時に注文したvolca fm(ver.2)は、先に届いていたので、BOSSのTRS/MIDIケーブル(BMIDI-1-35)でRoland EDのPC-300(←取説のPDF)というMIDIキーボードにつないでひとしきり遊んでいました。しかし、肝心なSQ-1がなかなか届かず長らく待っていたところ、ようやく届いたというわけです。(カラフルなケーブルもセットで購入したけれど、これも先に届いていた。キャンセルになったらどうしようかと思っていた)

これまで、シーケンサー専用機は、YAMAHAのQX21しか使ったことがなく、これの操作がかなり面倒だったためMacでシーケンサーソフト(たしかVisionとかだったと思う)を動かすようになってからは専用機は使わなくなっていました。今回はステップシーケンサーということで操作性はかなり違いますが、楽器をいじる楽しさを思い出させてくれるような気がしてワクワクしています。続きは順次ブログで公開していきます。