2023年12月16日土曜日

木札に書かれた墨文字をきれいに消す方法

事情により、墨で名前の書かれた木札から文字をきれいに消して木札を再利用しなければならないという状況になりました。よくわからない仕事が回ってくるのはよくあることですが、当然のことながらそんなことは私自身もやったことがなく、どうしたものかと試行錯誤したり現実逃避したりしていて、しばらく未解決なままになっていました。

そんな中、もうこれ以上放置しておくわけにもいかず、ちょっと本気でやってみたら意外とあっさりできてしまったので、その方法をまとめてみることにしました。あくまで私個人の備忘のためですので、一般的にこんなことを必要とする場面が多いとは思えず、また、私が試したサンプル数も少なく汎用性があるとは言えないので、これを見て試される場合は自己責任でお願いします。
#木札には、名前が書かれているので写真はNGです。

さて、墨(墨汁)で書かれた文字が消えにくいのは周知のことと思いますが、木札なので布のようには染み込んでいないだろうと予想し、とりあえず布でやったときと同じ方法からスタートしました。後は、偶然にも助けられて木札が再生されたような状態になりました。「表面を削ってしまえばよい」と思われるかも知れませんが、使い回すことを考えると木札が薄くなるのは避けたいので、この方法を見つけたときは感動のあまり声が出てしまったくらいでした。肝心の手順は以下のとおりです。

  1. 木札の文字が書いてある面を白チョークで塗りつぶす(これで、黄ばんだ木札がヤスリがけをしたようなきれいな色に戻ります)
  2. 水(温かい方がよいようです)で濡らしてから洗濯用の固形石鹸(ウタマロのようなもの)をこすりつけるように塗りつける
  3. アルミネットスポンジに食器洗い用の洗剤(今回はJOYを使いました)をつけて木札の文字が書いてある面を繰り返し洗う
  4. 水で泡(石鹸や洗剤)を洗い流す

後は、新聞紙などの上で木札を乾かすだけです。正直なところ、これでうまくいく理由はよくわかりません。ただ、水で濡らす→固形石鹸でこする→アルミネットスポンジと食器洗い用(中性)洗剤で洗うという手順のどこかが欠けるとうまくいかず、時間がかかってしまう感じです。今のところこの手順がベストマッチのようです。

これをやる前に、ネットで調べたら「表面を削るしかない」という回答が多かったため、自分で方法を考えてみました。おそらく、それほど需要はないだろうと思いますし、場合によっては、もっと簡単な方法をご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、手軽にできる方法としてまとめてみました。

【追記】木札は、できるだけ水につけない状態でやった方がよいようです。水につけて表面が柔らかくなると木が削れてしまうので。(2024.1.1)

2023年12月9日土曜日

TFabWorksのサーボコネクトボードを使ってみる

micro:bitを活用したロボットカーの教材化を考える中で、4年近く前に買って活用の機会を逃していたTFabWorksスピーカー付きサーボコネクトボードの使用感を確かめてみることにしました。購入した当時は、Servoモータについての知識がそれほどなくて、このボードに合うServoモータがどのようなものか分からず、Amazonで安く手に入れたもので試してみて、思ったような動きにならなかった(連続回転ができなかった)ので挫折したままになっていたのでした。

どうやら、以前に購入した安いMicroServoモータは、いずれも180°のものだったらしく、TFabWorksのサイトで公開されているサンプルプログラムではうまく動かすことができなかったのでした。そこで、再びAmazonで360°のServoモータを探して購入し、試してみることにしました。結果はあっさりと連続回転で動かすことができるようになりました。
#見た目で区別するのは、ほぼ無理だと思います。

動くと分かれば、これをロボットカーっぽく仕上げたいところです。そこで、タミヤの楽しい工作シリーズNo.193(スリムタイヤセット)の55mm径をこのServoモータに取り付けました。そして、車輪を付けたServoモータを強力な両面テープでサーボコネクトボードに貼り付けてロボットカーの出来上がりです。Geekservo動かしたときのプログラムを少し変えて動作確認ができました。(「P1」と「P2」を使います)
#ボールキャスターもつけてありますが、これが元々の付属品だったかは忘れてしまいました。orz

トータル金額が、ボードとServoモータでそれなりのお値段になってしまうので、児童が一人一つ買うような教材にはなりにくいとは思いますが、以前Tiny:bitのようにいろいろできて逆に教材として扱いにくいということはありません。拡張性はありませんが、micro:bit自体に5*5のLEDやV2以降ならスピーカーやマイクもついているので、考えようによっては様々な応用が考えられると思います。

ここまでいくつかのロボットカー(ラジコンカーも)を試してみて、それぞれのプログラムに共通性がないことがネックになりそうな気がしています。共通でないことを利用して、プログラムの仕組みを学ぶということも考えられなくはないのですが、気軽に動作確認をしたり、カスタマイズしたり、ロボットカー自体を自作したりする場合、何か基準になる標準的プログラムの作法のようなものがあると便利だと思いました。

2023年12月2日土曜日

micro:bitで動かすロボットカー(Tiny:bit)を使ってみる

5年前に、kitronikの:MOVE mini(現在は、mk2が販売されているようです)を組み立てて、micro:bitにプログラムを流し込んで試用したり、先日は、GeekservoLEGOを使って、micro:bitでコントロールするラジコンカーを作ったりして、使いやすくて作りやすいロボットカーを探究しています。学校で使うことを想定すると、予算が限られている学校現場的には価格の高いものは導入しづらいので、安くて簡易なものを選ぶことが多くなっています。

そんな中、YAHBooMTiny:bitという、ロボットカーとしては必要十分な機能を1パッケージにしたようなキットを見つけて衝動買いしてしまいました。この手のロボットカーとしては、かなり手頃な値段だと思いましたが、小学校で気軽に買える値段かと言われると微妙なところはあります。汎用性が高く、誰もが価値を理解してくれものであれば別ですが、「プログラミング」だの「フィジカル・コンピューティング」だのと訳の分からないこと(自虐)に使う道具にお金をかけることには、なかなか納得してもらえません。そこで、その教育的価値を知ってもらうためにも、自腹でいろいろと買い集めて教材化するためにせっせと研究を重ねているという訳です。(イヤ、もうだいぶ昔からそんな生活ですけどね)

チュートリアルのサイトからたどると、様々な道具が用意されているので一通りダウンロードしておきます。マニュアル類は、英語表記ですが写真や図が多いので難しいことはないと思います。試しに「Tiny-bit-master」の「01.First Trial」で動かしてみることにしました。解説のPDFファイルを読むと「Mbit」というスマホアプリからコントロールする必要があるようなので、スマホ(iPhoneとAndroid用のアプリがある)でアプリを用意しておきます。micro:bitをPC(もちろんMacでもOK)につないで、先程の「01.First Trial」フォルダ内の「microbit-Bluetooth-Control_(日付とVersion).hex」をコピーして、PCから外してTiny:bitに挿して電源スイッチをONにします。スマホのアプリを開いてTiny:bitに挿したmicro:bitに近づけて「Search Bluetooth device」をタップするとスマホからコントロールすることができるようになりました。

簡単にたくさんのことができる印象ですが、小学校でのプログラミング(フィジカル・コンピューティング)教材としてどこまで使えるかということを考えると、目的を明確にして使い方や使うものを限定して取りかかる方がよいように思いました。「スマホでコントロールする」ということになると、日本の小学校では現実的ではないし、これだけで完結してしまってプログラミングの必要すらなくなってしまいます。これを、子どもたちに支給されているchromebookiPadなどの一人一台端末と組み合わせて使うことも不可能ではないと思いますが、アプリのインストールや諸々のハードルがあって簡単ではないでしょう。チュートリアルのプログラムを変更したり別のプログラムを1から作ったりする場合も、活用の仕方はいろいろと考えられるのですが、できることが多すぎて万人向けではないように思います。こういうものをいじるのが好きな子どもが、夢中になって取り組めるような環境や時間があれば、かなりハマる教材になると思いました。

〈参考資料〉