前回の続きです。前回は、「Analog Phaser(FC13 Analog Phaser=FLAMMA(Shenzhen Flamma Innovation社))」の中身を見てみましたが、今回は、Auto Wahエフェクターの「Dynamic Wah=DONNER(Donnermusic社)」の中身を見てみたいと思います。
前に紹介した2冊の自作エフェクター解説本には、Auto Wahの作例はありませんでした。そこで、Googleで検索すると、Geek IN Boxさんの「ファンクサウンドにマスト! ベース用オートワウの概要や使い方、おすすめモデル3選」や萩原悠.comさんの「ギター,ベースにオススメのエンベロープフィルター(タッチワウ)まとめ」というページが見つかりました。また、以前にも紹介したM.I.の趣味の部屋さんの「Auto Wah/Wah」の回路図も参考になりそうだと思いました。
Auto Wahはフィルターの一種で、入力された音を人の声のように「ワウワウ」言うような音にするエフェクターというとイメージしやすいかもしれません。様々な回路図を見比べてみると、一番シンプルな構成は、オペアンプ、電解コンデンサ、抵抗(可変抵抗も)で回路が組まれていることが多く、他に2SK30(FET=電界効果トランジスタ)を使っているものもありました。オペアンプに電解コンデンサと抵抗(可変抵抗も)が接続されているだけのものもあったので、FETが必須というわけではないと思われます。
#回路については、松美庵さんの「Funky Wah 製作記「製作」」やアナログ電子楽器の回路を読む2の「Auto Wah(Guitar Magazine, Jul. 2005)」も参考にしました。
それでは、Dynamic Wahを開けて見てみます。用意した道具は、前回と同じなので省略します。
〈「Dynamic Wah」の主な部品構成)
- 可変抵抗(ボリューム)(小)…B100K(Bカーブ100kΩ)
※「SENS(Sensitivity)」の変更 - 可変抵抗(ボリューム)(小)…B50K(Bカーブ50kΩ)
※「RES(Resonance)」の変更 - 可変抵抗(ボリューム)(小)…B1M(Bカーブ1MΩ)
※「DECAY」の変更 - 可変抵抗(ボリューム)(大)…B50K(Bカーブ50kΩ)
※「RANGE」の変更 - LM13700M(SOIC-16)…Dual Operational Transconductance Amps(←ナショセミ(2011年Ti社に買収)の刻印あり)
- RS8454P(SOP-14)…Operational Amplifier CHIP IC(RUNIC社)
- 電解コンデンサ(面実装)…CK2.2(2.2μF50V)、CK220(220μF16V)、CK47(47μF16V)、CK1(1μF50V)*2
- SS14(面実装)…ショットキーダイオード(onsemi社)
- D4 sM(SOT-23)*2…MMBD4148SE(MCC社・DIODES社など)ツインダイオード(高速スイッチングダイオード)
- 1AM(SOT-23)*2…MMBT3904(MCC社・onsemi社など)NPN型汎用トランジスタ(汎用小信号増幅およびスイッチング)
- XY(SOT-23)…2SK209(TOSHIBA社)NチャネルJFET (高周波増幅用)トランジスタ(FMチューナRF、ローカル発振、汎用高周波増幅)
- AMS1117(SOT-223)KF-5.0V…三端子リニア電圧レギュレータ
- その他…チップ抵抗・チップコンデンサ・ダイオード(小信号)・LEDなど
オペアンプやトランジスタに電解コンデンサや抵抗(可変抵抗も)をつないで基本的なWahの機能(フィルタ)を実現しているようです。音に与える効果は、レスリー・スピーカー(ロータリー・スピーカー)にも似ていると言えるかもしれませんが、物理的にスピーカーを回すことでドップラー効果によって音を変化させるレスリー・スピーカーとは仕組みが大きく違うので、同じような音にするのは難しいように思いました。
実際に、エレキベースで使ってみると、いい感じのワチャワチャした音になります。「イミテーション・ゴールド」のイントロで流れるリフとか、天知茂主演の江戸川乱歩(←青空文庫)のドラマシリーズで事件を予感させるBGMのイメージ(伝わるか?)がして、しばらく音を楽しんでみました。
#ちなみにではありますが、レスリースピーカーについては、「ハモンドオルガンとは?レスリースピーカーとは?」で詳しく解説されています。(…作ってみたいかも)
「エフェクターの中身を見てみよう」
