だいぶ以前から気になっていたのですが、Pd(Pure data)という音楽に特化したプログラミング環境があります。ブロックプログラミングとテキストプログラミングとの中間な感じのプログラミング方式が採用されていて、一見すると色気もなくて何をどうすればよいかよくわからないと思われてしまいそうなのですが、使ってみると楽器そのものを組立てているような面白さにハマる人が多いようで、意を決してそんな世界に足を踏み入れてみることにしました。
とは言え、MacBook ProにPd-extended(すでに開発終了)をインストールしたのは記憶にないくらい前のこと。興味をもったままPd-extendedをインストールして、ほぼ何もしないまま放置して、しばらくしてまた思い出して、レシピ本「Pd Recipe Book」を購入してまたしばらく放置して…を繰り返していたので、お気付きの通り何も進んでいませんでした。
まずは自分の情報をアップデートするところから始めます。そもそもPdの開発は、Pure data (Pd) Vanillaと、それにライブラリなどをパッケージしたPd-extendedとで別々に開発・メンテナンスされていたようなのですが、現在は、もともとのPd Vanillaに統合されているようです。今回は、Pdのダウンロードサイトから最新版をダウンロードしてインストール作業(展開して出てきたアプリをアプリケーションフォルダにコピー)をするところから始めました。
Pdを起動すると、ログ窓が表示されます。作業を進めていくと、このログ窓にPdの動作ログなどが表示されます。
「ログ」の後ろの数字は、表示する内容がどの設定なのかを表す番号になっていて、「2」は「通常」のログ表示ということのようです。すべてのログを見たい場合には、「4」にします。表示する文字数の節約という意味では意図はわからなくもないのですが、ユーザーフレンドリーであるかどうかという点では微妙な感じがします。このあとの作業でも感じたことですが、使いながら意味を考えたり、本やWebサイトで調べて「省略されている文字」の意味を理解したりしながら作業することが多くて、「一見さんお断り」な雰囲気を感じてしまいます。
#音楽(音)や電子楽器の知識はあった方が良いかもしれません。
気を取り直して作業を進めていきます。今回は、先ほど紹介した「Pd Recipe Book」以外にも、「Pure Dataについて調べてみた」を参考にして作業を進めます。Pdの「ファイル」メニューから「新規」(⌘N)をクリックしてキャンバス窓を開きます。ここに様々な部品を「配置」メニューから選んで配置していきます。部品には、文字列や数値を入力できるものやマウスで操作するものなどがあります。新しくキャンバス窓を開くと「編集モード」になっているので、そのまま「配置」メニューから部品を選択してキャンバス窓に置くことができます。プログラムの動作確認をするときには、「編集」メニューから「編集モード」(⌘E)のチェックを外して実行モードで動作させます。(簡単なものであれば「編集モード」のままでも確認できることはあります)さらに部品を追加したい場合は、そのまま「配置」メニューから部品を選ぶとキャンバス窓が「編集モード」に変わってくれます。
#ログ窓とキャンバス窓は、どれか一つしか選べない仕様になっているため、その窓がアクティブか非アクティブかによって使えるメニューの内容が変わります。
つまずきどころは、部品に入力する文字が「小文字縛り」だったこと。シンセサイザー周辺の表記は「OSC(オシレータ)」とか「ENV(エンベロープ)」などと大文字で書かれるイメージがあったため、大文字で入力するものとばかり思っていました。Pdでは、すべて小文字でなければならないということで、初歩の初歩である「osc~」から「dac~」につないで音を出すところでつまずいてしまいました。orz(よく見れば、本でもWebサイトでもすべて小文字だったのだけど、「osc」って偶然にも大文字と小文字の区別がつきにくいのよね…)とりあえず、サイン波の音を出すことはできました。
「440」というのは、お察しの通り「440 Hz(A4)」の音という意味です。(このBlogでもたびたび登場しています)この数値を変えると、様々な音程のサイン波を出すことができます。これをベースにシンセサイザーっぽいものを作っていきたいと思います。続きは次回以降ということで。
「Pd(Pure data)でシンセサイザープログラミング」
- シンセサイザーっぽいものを作ってみる