2009年5月30日土曜日

数学的な認知や思考を育てる知育玩具

積み木やブロックのような、長い歴史のある「おもちゃ」には、長く愛用される理由があるのだろうと思いますが、最近の子どもたちは、幼い頃からテレビゲームやポータブルゲームにどっぷりハマって生活していて、「遊び」という点では同じでも、その「質」の違いの大きさについて考えていかないといけないのではないかと感じています。
#私自身も、ゲーム世代の走り(ファミコンの発売が中学生だったと思います)ですので、魅力を感じなかったわけではないのですが…。

子どもたちが遊びの中から「学ぶ」ためには、おもちゃ自体に「気づく」要素が含まれていないといけません。すべてがお膳立てされていて、本質でない楽しさ(例えば、アニメのキャラクターやアイドルの肖像が使われていたり、ゲームっぽく仕立てられていたり…)で塗り固められたようなものは、子どもたちの認知や思考を刺激しません。まぁ、そういうものにしか興味を示さない子が増えてきているので、寂しいなぁと思うことも多くなってきましたが…。そこで、これまで私が使ってみたことのある「おもちゃ」を紹介してみます。

ポリドロン
正三角形や正方形、正五角形などを組み合わせて立体的(平面でもいけますが)なものを作るおもちゃです。辺の長さが統一されているので、様々な組み合わせ方ができます。正五角形と正六角形を使ってサッカーボールを作ることも。難点は、ジョイントの部分が少々固いので、力の弱い子に使わせる場合は、支援が必要だということと、ジョイントの部分の形が複雑で「平面図形としての辺」のイメージには程遠いことです。

パターンブロック
見た目は、小さな積み木の感じなのですが、その色分けや形、辺の長さや角の角度に秘密があり、奥の深いおもちゃだなと感心しているところです。学校の子どもたちにも使わせてやりたい教具の一つで、先日、分数のたし算・ひき算の授業で紹介しました。うちの我が子も「図形遊び」感覚で遊んでいます。難点は、積み上げて遊ぶには、集中力とテクニックを要することです。(積み木として使うには、小さすぎる感じです)

ジオマグ
磁石が内蔵されたバーを鉄球を介してつないでいくことで、様々な形を作ることができるおもちゃです。正多角形や正多面体などを作るのに適しています。バーの長さが決まっているので、「できないこと」も発見できます。そうしたものを発見したとき、「なぜここは届かないのか」何てことを考えさせるのもよいと思います。難点は、強く固定させたい場合などに磁石の知識が多少必要になるということです。

セット
4つの要素について、色(赤、紫、緑)、形(俵、ダイヤ、波)、数(1、2、3)、模様(塗りつぶし、縞、中抜き)のそれぞれ3種類(つまり3の4乗=81種類)のカードで遊ぶゲームです。作りは単純なのですが、カードの種類の多さが味噌で、正規のルールで遊ぶよりは、このカードを使ってどんな遊びをすると楽しいか考えることの方が楽しいようなカードになっています。難点は、組み合わせの考え方がわからないとおもしろくないので、就学前の小さいお子さんでは楽しくないかもしれないということです。

〈その他〉
私が愛用しているものとして、学研の「Embrainシリーズ」があります。「algo」が気に入って買ったのをきっかけに、今では7種類ほどが手元にあります。どれも、「脳に汗をかく」ようなおもしろいものばかりです。

漫画やゲームなどに夢中になっている子どもたちが、こうした知的な遊びを楽しむことが出きるようになってくれるとうれしいなぁと思うのですけど。

2009年5月20日水曜日

Scratch Day in Tokyo終了

以前にお伝えしていたScratchの世界同時多発的なイベントが開催され、その1つである「Scratch Day in Tokyo」が先日無事に終了しました。

私自身も登壇者の1人として、昨年度行った「ScratchとPicoボードを使った楽器づくり」について発表しました。会場は、広くもなく狭くもなくちょうど良い感じでお客さんの入りも上々でした。Scratchについてよくご存じない方もたくさん参加して頂いていて、注目されているのだということを改めて感じました。

私の話は、「オープンソースの活用」という部分を含んでいたため、どうしても「難しい雰囲気」が漂ってしまっていたのではないかと思います。この点は、ちょっと反省しつつ、でもきっと将来もっと気楽にオープンソースが使えるようになったら、そんなことは気にする必要がなくなるだろうと信じつつ。

今年は、立場的にもいろいろと制約があって、何ができるか未知数なところが多々あるのですが、子どもたちの思考力・表現力を育て「学びの可能性」を追究するような実践をしていきたいと考えています。

2009年5月16日土曜日

Squeak Etoys 3.0が公開されました

Squeak Etoysの最新バージョンである3.0が公開され、日本語環境を使えるようにするための置き換え用のファイルも公開されたというアナウンスがあり、早速使ってみました。

まずは本家のEtoysのサイトからMac版のEtoys(EtoysInstaller.dmg)をダウンロードしてインストールします。すると、いつもの「アプリケーションフォルダ」の中に「Etoys」というアプリケーションファイルがインストールされます。同時に、デスクトップにもエイリアスがつくられますので、それをクリックすればすぐに起動できるというわけです。

次に、日本語版のEtoysのサイトから以下の3つのファイルをダウンロードします。

  • etoys.image (25.8MB)
  • etoys.changes(1MB)
  • etoys.mo(308KB)

さてここからが問題。アプリケーションフォルダの中には「Etoys」というファイルが1つでき上がるだけなので、これらのダウンロードしたファイルをどのように置き換えるのか迷うところです。ここは落ち着いて、Macのアプリケーションファイルの実体は、「アプリケーションとして起動できる圧縮ファイル」になっていることがあり、フォルダのように中に入ることができる場合があるのです。試しに「control+クリック」でポップアップメニューを出してみると、「パッケージの内容を表示」という項目があり、無事に中に入ることができました。

中には「Contents」というフォルダが1つだけあり、「Contents > Resources」とたどって行くと、etoys.imageと.changesがありました。これをダウンロードしたファイルで上書きしましたが、.moがどこにあるかわかりません。勘を頼りに「Contents > Resources > locale > ja > LC_MESSAGES」とたどって行くと、ありましたありました。この中のetoys.moをダウンロードしたファイルで上書きして、Etoysを起動すると無事に日本語環境が使えるようになりました。

ちょっと面倒ではありますが、やってみる価値はあると思います。

【追記】Mac用のインストーラを作っていただきました。更新すべきファイルを自動的に更新してくれます。
http://d-mts.com/download.html
大変便利になりました。(2009.5.30)

ついでに、Linux版のEtyosでもやってみましたが、こちらはコンソールを開いてコマンドを使ってちまちまとダウンロードしたファイルを上書きして起動しましたが、「subscript is out of bounds: 6」というエラーが出てしまって、日本語入力ができませんでした。
#表示は日本語になるのですが…。

2009年5月9日土曜日

子ども向けのテレビ番組に思う

こんなことを書くと、時代遅れの頑固親父な感じに捉えられてしまうかもしれないのですが、最近「言葉の重み」を意識することが少なくなってきて、雰囲気だけで話し、判断し、行動する人が多くなってきていると感じているので、思っていることの一端を書いておきます。

若者の「言葉の乱れ」などということについては、昔からよくいわれていることなので、今さらそんなことを言うつもりはないのですが、TPOや相手を意識した(わかりやすさ、相手の気持ちへの配慮など)表現というのは、どんな時代であっても大切なことではないかと感じています。しかし、ともするとその場限りのおもしろおかしな表現や他人を馬鹿にしたような表現の方が流布しやすく、子どもたちの間に浸透している現状があります。

この状況に輪をかけて悲惨だと思うのは、受信料を徴収するテレビ局の子ども向けの番組の中で、大人を大人とも思わないような発言の仕方をする子どもたち(しかも演技や話の下手なことこの上ない感じで)を平気で映していたり、何がおもしろいのかわからないような訳のわからないキャラクターが出てきたり、とにかく劣悪低俗な表現が多く見られるのがたまらなくイヤなのです。

その昔、民放で似たような番組がありました。それはそれでシュールな感じで許すことができる部分もあったのですが、天下のN○Kがやっていいことと悪いことの区別がつかなくなっている現状に、悲しさを感じています。これじゃぁ子どもたちに何も薦められないです。
#同テレビ局の他の番組では、ちゃんとした子どもたちも出ているんですけどね。

ただでさえ、家庭でのしつけもろくにされず、礼儀知らずな子どもたちが多くなっているのに、それをそのまま(ありのままと言われればそれまでなのですが…)放送してしまったのでは、全く持って示しがつかない。稚拙でもいいし、カッコ良くなくていい、変に自信満々じゃなくていいから、もう少し身の丈をわきまえた子どもたちと奇をてらわず、視聴率狙いにならない落ち着いた表現を心がけてもらいたいものです。
#表現の自由とは言うけど、その表現がどういう影響を与えるのか想像力を働かせて、自重してもらいたいなぁと思います。

いやぁまあ、こんなところでこんなこと書いても、きっと何にも変わらないのでしょうけどね。(^_^;;;

2009年5月4日月曜日

Ubuntu 9.04のパッケージ管理

これまでにもいろいろなLinuxを使って来ましたが、古いバージョンからアップデートすると、使いたいと思っていた機能がうまく動かなかったり、諸々の不具合が生じて結局「クリーンインストール」することになるというのが常でした。今回のUbuntuはどうだろうと思っていろいろと見て回っていると、「システム管理」の中に「不要パッケージの管理」という項目を見つけました。早速起動して不要パッケージの一覧を眺めてみると、既にサポートされていないものがたくさん発見されているようでした。おもしろそうだと思って「追加と削除…」からインストールしたのに、サポートが切れてしまったというのはとても残念。

HDDもそれほど潤沢に用意しているわけではないので、ここは整理するのが得策と考え、私がインストールしたものも含めて綺麗に削除してしまいました。

ところが、日本語表示に関するものもまとめて削除したために、今度は日本語表示がおかしくなってしまいました。そこで「システム管理(administration)」から「言語(Language)サポート」を起動すると、自動的に日本語環境をダウンロードしてくれました。そして再起動すると、 無事に元通りの日本語環境を復活させることができました。この状態で「不要パッケージの管理」を開いても、もう日本語表示に関するものは表示されませんでした。めでたしめでたし。

Ubuntu 9.04へのアップデート

先日、Ubuntuの最新バージョンが公開され、「アップデートマネージャ」からアップデートできるようになりました。早速、アップデートのボタンをポチッとすると、作業終了まで5時間以上かかるような表示が出ました。とりあえず、別の仕事を進めながらアップデートを見守りました。なぜか「Freeciv」だけがアップデートできないというエラーメッセージが出ましたが、それ以外は順調に進行し、無事にアップデートが終わりました。
#その後Freecivもアップデートできました。

使用感としては、今までに比べて一つ一つの動作が機敏になり、かなり快適です。いくつかのソフトウエアで確認しましたが、OOoをはじめとしてほとんどのソフトウエアのバージョンが微増しています。これまで動作実験をしてきたSqueakScratchDolittleWineなども問題なく動作しました。また、時間を見つけて動作確認をしたり、ソフトウエアの操作感をたしかめたりしてみたいと思います。

あとは、TeXの日本語環境が充実してくれることと、音を出したり録音したりする機能がもう少し簡単に使えるとありがたいなぁと思っています。

2009年5月3日日曜日

AppleWorksからの移行とOOoの活用に向けて

長年愛用しているAppleWorksですが、MacOSXのバージョンが上がるのに伴ってサポートが打ちきられる(iWorkに移行する感じ)方向にあり、少しずつ別のソフトに移行していました。ワープロ、表計算、プレゼンテーションは、MS-OfficeやOpenOffice.org(以下「OOo」)へ移行し、ドローやペイントも別のソフトで満足していたのですが、データベースの便利さだけは、他の追随を許さないと感じていたために使いつづけていました。用途は主に「ミニ賞状」の印刷なのですが、入力フォームのレイアウトが簡単で、そのまま印刷しても十分に実用に耐えるものが出来上がるため、とても重宝していました。しかし、ここへ来てeMacが不調になり、AppleWorksを安心して使っていられなくなってきたのです。
#とりあえず、IntelMacでも動かないことはないのですが、若干動作が不安定で心許ないところがあり、今後のことも考えて思い切って移行先を考えることにしました。

初めに思いついたのは、OOoのデータベースを利用するということでした。別の用途ではOOoのデータベースを使ったことがあったため、データをまとめる操作そのものに困ることはありませんでしたが、最終段階の「ミニ賞状の印刷」ができませんでした。もう少しがんばればできそうなのですが、ハガキ大のミニ賞状の中に必要なものをレイアウトするのが難しいのです。

仕方なく、MS-Wordの「差し込み印刷」を利用することにしました。こちらも以前に使ったことがあったため作業に困ることはありませんでしたが、データベースを使うのと違っていまいちスマートじゃない感じがしました。

OOoのデータベースには、ラベル印刷やハガキ印刷など、もう少し印刷フィーマットのバリエーション(テンプレートのような形でもよい)を増やして、自由度を高めてもらいたいなぁと思っています。また、私自身ももう少し使いこなせるように努力してみようと思います。