2021年2月21日日曜日

Linux版Scratchの日本語入力の状況を確認する

前回、事情によりScratch 1.4での教材開発を諦めて、今後はScratch 3.0で教材開発を行っていくことにしたのですが、ふとRaspberry PiのScratchでは「日本語入力はどうなっているのかな?」と疑問に思いました。と言うのもLinux版のScratch 1.4では、日本語のインライン入力ができず、テキストエディタ(「メモ帳」的なもの)で日本語テキストを打ち込んで、コピーしてScratchにペーストするというとても面倒なことをしなければならなかったのです。

早速、検証環境として使ってるRaspberry Pi 3Bと常用しているLinux Mintで動かしているPCで「〈こんにちは!〉という」ブロックに日本語入力ができるか、保存の際にファイル名に日本語入力ができるかの2つを確認していきます。日本語変換はFcitx-Mozcを使います。

  1. Raspberry Pi 5.4.83-v7+ ※「uname -a」コマンドで確認した
    • Scratch 1.4(オフライン)…Mozc起動せず
      • ブロックに日本語入力…×
      • 保存時に日本語入力…×
    • Scratch 3.0(オフライン)
      • ブロックに日本語入力…○
      • 保存時に日本語入力…○
    • Scratch 3.0(オンライン)※Chromiumブラウザー
      • ブロックに日本語入力…○
      • 保存時に日本語入力…○
  2. Linux Mint 19.3
    • Scratch 1.4(オフライン)…Mozc起動せず
      • ブロックに日本語入力…×
      • 保存時に日本語入力…×
    • Scratch 3.0(オフライン)…Mozc起動せず
      • ブロックに日本語入力…×
      • 保存時に日本語入力…×
    • Scratch 3.0(オンライン)※FirefoxブラウザーおよびChromiumブラウザー
      • ブロックに日本語入力…○
      • 保存時に日本語入力…○

RPiのScratch 3.0(オフライン)が日本語入力に対応していることに驚きました。つまり、MintのScratch 3.0でも日本語入力ができるようにすることができるかもしれないということ。(若干ややこしい)試しに、Wine上で動かしているScratch 1.4(Windows版)でも試してみましたが、日本語入力が文字化けしてしまいました。こちらは文字コードの問題のように感じたので、設定をいじれば使えるようになるかもしれません。(Scratch 3.0(Windows版)は、エラーを吐いて起動してくれませんでした)

そう思って調べていると、RPiのScratch 1.4で日本語入力ができるようにする設定の仕方を解説したブログのページを見つけました。「#6 スクラッチ1.4の日本語入力設定【Raspberry Pi】」です。これを参考にしてターミナルを開いて以下のようにやってみました。

$ sudo mousepad /usr/bin/scratch
※Raspberry Pi OSのテキストエディタは、Mousepadがインストールされているため。

その後、テキストエディタで以下のように設定を書き換えます。

〈変更前〉
$WRAPPER "$VM" $VMOPTIONS “$IMAGE” …※以下略
〈変更後〉
$WRAPPER "$VM" $VMOPTIONS -vm-display-x11 -compositioninput “$IMAGE” …※以下略

Raspberry Pi OSを再起動して、Scratch 1.4を起動して試してみましたが、日本語入力ができるようになっていました。調子に乗って、MintのScratch 1.4でも同じことを試してみました(Mintのテキストエディタは、「xed」を使っている)が、Mozcは起動するようにはなったものの文字化けしてしまいました。でも、あと少しな感じです。

Scrstch 3.0の方は、公式にLinux版が公開されていないので何か特別なチューンが必要な感じがしていますが、調べてもなかなか良い情報が得られませんでした。また時間を見つけてチャレンジしてみます。

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