2024年9月1日日曜日

タイマーIC(555)をディスクリート部品で作ってみる

多くの方にとって何のことかわからないとは思うのですが、電子工作をやっているとよく名前を聞くタイマーICで「(NE)555(←Texas Instruments)」というICがあります。資料によると、1971年設計とあるのでかなり古くからあるICではあるのですが、今でも入手できるほどロングセラーなICです。これを、ディスクリート(単体)部品だけで作るキット(Evil Mad Scientistの「Three Fives」)があって、いつかは作ってみたいと思ったまま年月が過ぎていたのでした。
#Evil Mad Scientist社は、Bantam Tools社に買収されたようです。

その555のディスクリート基板共立電子産業が作っていると知って、たまらず購入してしまいました。前出の「Three Fives」とは設計が違いますが、目指すところは同じです。アメリカから個人で購入すると送料を含めてかなりのお値段になってしまいますが、国内でリーズナブルに入手できるとあっては、買わないという選択肢が思い浮かびませんでした。とは言え、いざ作るとなると部品点数が多いのでしっかり腰を据えて取り組まなければなりません。夏休みを待って時間に余裕ができたところで作り始めました。
#部品点数は多いものの技術的に難しい表面実装部品はまったくなく、組立説明書を見ながら地道にやっていけば問題なくできると思います。

最後にアクリルのカバーをつけるのですが、どうもうまくはまりません。よく確認すると、部品のサイズが違うものが1つ混じっていて、収まりが悪い状態でした。販売元に確認すると、お店のお盆休み明けに部品を送っていただけるとの連絡があり、後日無事に正しい部品を送っていただきました。(感謝!)ということで何とか夏休み中に完成させることができました。

次に、でき上がった555の動作確認をすることにします。だいぶ以前に555で簡単なテルミンのような楽器を作った記憶があったので、今回はそれを再現したいと思います。555の他に電源や抵抗、コンデンサ、ピエゾスピーカーが必要ということで、自室の電子部品ストック(新品ではなく廃品から使えそうな部品だけ取っておいたもの)などから探し出して回路を組んでみました。使ったものは以下のとおりです。
#部品や回路などは、AUTO Instructablesの「Theremin: an Electronic Odyssey [on 555 Timer IC ] *(Tinkercad)」を参考にしました。
※英語なのでGoogle先生に翻訳してもらいました。(^^;;;

  • 9V 006P電池
  • 抵抗10kΩ(茶黒橙金)
  • セラミックコンデンサ0.1μF(104)
  • CdSセル1MΩ
  • ピエゾスピーカー

電源を入れると、無事に音が出ました。CdSセルに手をかざして光を遮ると音程が低くなりました。これはなかなか感動しますね。実際の555のICチップは1立方cmの中に収まる程度の小さなものなので、わざわざその何倍もの大きさになるものを自分で作るというのはマニアックな趣味であることは自覚するところではあります。でも、こうしたことを通して様々なことに気づき、ICの構造や実際の働きを理解することは、とても重要なことではないかと思います。常々感じていることではありますが、「作ることで仕組みを理解する」というプロセスは、例えば「計算機」を作ることで計算の仕組みを理解するとか、「三角定規」を作ることで三角定規の役割や意味を学ぶというようなことにつながると思っています。

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