約10年前に発売されたRaspberry Pi Zero Wの後継機として、Zero 2 Wが数年前に発売されています。Pi Zeroについては、このBlogでも何度か話題にしてきましたが、久しぶりに後継機が出たので何がどう変わったかを確認したくなり、日本での販売開始から少々時間が経ってしまいましたが、購入して使ってみることにしました。既知のことではありますが、USBコネクタが少なく有線LANも使うことができないなど使い道が限られているため、正直なところ私自身はこれまであまり使っていませんでした。今回、Zero 2 Wとの比較をするために、久しぶりにZero Wを出してきてアップデート作業などのメンテナンスを行いました。(Zero無印の方は、IchigoJam Basicで動かしているので今回はパスです)
#今回の後継機発売は、Zero無印はなしでW付だけみたいです。
Zero WとZero 2 Wの共通する仕様は、本体サイズとI/O周りの数と規格です。この辺りは、これまでのZero Wユーザーが使用している周辺機器との接続を考慮して、置き換えがスムーズに行くように配慮されたのではないかと思われます。対応する無線LANの規格も同じですが、Bluetoothは4.1対応から4.2対応になっているようです。その他で仕様が変わったところだけをまとめると以下のようになっています。
〈Zero W〉
- Broadcom BCM2835(Single core 32 bit SoC…ARM1176JZF-S(ARMv6)1 GHz)
- 内蔵メモリ512 MB DDR2 SDRAM
- micro USB電源(5 V/1 A)
- CSI カメラコネクタ
〈Zero 2 W〉
- Broadcom BCM2710A1(Quad core 64 bit SoC…Arm Cortex-A53 1 GHz)
- 内蔵メモリ512 MB LPDDR2
- micro USB給電(5 V/2.5 A)
- CSI-2カメラコネクタ
#micro USBとmini HDMIだけでなく、HAT互換40ピンヘッダも共通仕様です。GPUのVideoCore IVも同じようですが、バージョンアップはされているようです。
本音を言うと、USBはUSB-Cの方が便利だし、HDMIもminiではなくmicroの方が扱いやすいしという問題点は感じるところですが、micro USBとmicro HDMIだと挿し間違いが発生しそうだから変更するならUSB-Cとmicro HDMIでお願いしたいところです。
問題提起はさておき、Zero 2 Wのセッティングを進めていくことにします。やることは他のRPiと大きくは変わらず、「Raspberry Pi Imager」を使って起動microSDカードを作るところから始めます。今回は、在庫していた東芝製の16GBのものを使いました。64 bitのRaspberry Pi OSをRecommendされるので、これを使って起動microSDカードを作成し、Zero 2 Wに挿して起動します。RPi 5に比べるとかなりもっさりとした感じですが、これは単にCPUが非力だからなのか、メモリ512MBでは少なすぎるということなのか、microSDカードとの相性問題なのか、諸々の複合的な問題なのかなどなど、はっきりとした原因はわかりません。まぁこんなものだと思って使い方を選んで使うというのが正解だと思います。
#Zero Wの方は、32 bitがRecommendされました。メンテナンスがてら、Zero WのOSも最新の32 bit版(Raspbian GNU/Linux 12 (bookworm))をインストールしました。動作感は、Zero 2 Wとあまり変わらないかな…。
Zero 2 WのRaspberry Pi OSのバージョンを確認するために「$ lsb_release -a」コマンドを実行すると、「Debian GNU/Linux 12 (bookworm)」になっていました。現時点で最新のOSで動かせることがわかりました。とは言え、できることが限られていることを前提にして、実験してみたいソフトだけ追加でインストールしておきました。
〈「Recommended Software」より〉
〈「add / Remove Software」より〉
- Arduino IDE
- Fcitx-Mozc(日本語入力)
非力なのでそれなりに時間はかかりましたが、どうにかインストール作業を終えました。Zero Wの方も、32 bit版の同じソフトをインストールして、ほぼ同じことができるように設定をしました。今後の活用を考えて、Zero W/2 Wを他のPCなどからコントロールできるようにするのが実用的なのではないかと考えています。