これまで、Raspberry Piのことは何回か記事にしてきましたが、以前のRPiのアップデート作業の際に、購入はしたものの放置状態だったRaspberry Pi PicoシリーズのPicoとPico Wがあることを思い出し、何か使えることはないかと思ってちょっといじってみることにしました。
とは言え、買ったときのこともその使い方もあまり覚えていないので、Google先生にお世話になりながらいろいろと調べて、いくつかのプログラミング方法があるというところまではわかってきました。この手のマイコンボードは様々なものを使ってきましたが、これからも使い続けたいと思うものはだいぶ絞られてきて、現状だとArduino系のものかmicro:bitかというくらいで、他のものはほとんど使わなくなっています。絶対にPico/Pico Wを使わなければならないというほどの需要はないのですが、使い勝手くらいは試してみようと思ってチャレンジすることにしたのでした。
#今回は、主にCQ出版社の「ラズベリー・パイPico/Pico W攻略本」を参考にしました。
まずは開発環境を整えるところから。アプローチとしては、大きく2つあって、1つ目が「C/C++やMicroPythonでプログラムを作る」で、もう1つが「ビジュアルプログラミング環境を利用する」です。手始めに、C/C++でのプログラミング環境を構築して、Picoを動かしてみたいと思います。プログラミング環境(SDK)を整えるのは、Linux Mintで動かしているいつもの自作PCです。
〈C/C++でのプログラミング〉
Raspberry Pi Documentation(Raspberry Pi公式)に、「Microcontrollers」として「Raspberry Pi Pico and Pico W」に関する記述があります。「The C/C++ SDK(英語です)」を読むと、今回の作業で必要なC/C++での開発に関するSoftware(SDK)が、GitHubにあることがわかりました。そこでさらに、てつふくブログさんの「Raspberry Pi Picoの開発環境構築 (Ubuntu PC)」を参考にしながら、GitHubで公開されているSDKを使えるようにセットアップしていくことにしました。
その前に、Gitコマンド(GitHubのバージョン管理システムを使うためのコマンド)が使えるように、インストール作業をしておきます。(wgetは、すでにインストールしてありましたが、まだの場合はこちらもインストールしておく必要があるようです)これで準備が整ったので、後はてつふくブログさんの記事に書かれている通りにセットアップします。(作業領域については、ご自分の環境に合わせてフォルダを作るなどしてください)
- $ git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-sdk.git
- $ cd pico-sdk
- $ git submodule update --init
- $ cd ..
- $ git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-examples.git
その他に必要なツール類をaptコマンドでインストールします。
- $ sudo apt update
- $ sudo apt install cmake gcc-arm-none-eabi libnewlib-arm-none-eabi build-essential
手始めにLチカで動作確認するために、さらに作業を進めていきます。Gitで構築した「pico-examples」フォルダ内で作業を行います。
- $ cd pico-examples
- $ mkdir build
- $ cd build
「build」フォルダ内で、パスの設定をします。
$ export PICO_SDK_PATH=../../pico-sdk
この状態で「cmake ..」コマンドを実行すると、C/C++ SDKでの作業環境が整うので、「pico-examples」フォルダの方に移動して、「build」→「blink」フォルダに移動し、「make -j4」コマンドを実行すると、「blink.uf2」という実行ファイルが出来上がります。これを「BOOTSEL」ボタンを押しながらUSBケーブルでPCに接続したPico(USBストレージのように見える)に保存します。中に見える他のファイルについてはいじらずに、.uf2ファイルをコピーするだけです。コピーが終わると自動的に再起動され、無事にLチカができました。
#あんパンさんの「Arch LinuxでRaspberry Pi Picoに繋いでLチカするまで」が参考になりました。
作業の手順は難しくはないものの、コマンドでの環境構築はそれなりにハードルが高く万人向けとは言えないかもしれません。今回は長くなってしまいましたが、次回以降、もう少し簡単な方法を取り上げてみたいと思います。
〈参考資料〉
- てつふくブログさんの「Raspberry Pi Pico サンプルプログラム(C/C++)の動作確認」
- gihyo.jp(技術評論社)の「UbuntuからRaspberry Pi Picoを使う」
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