今までもときどきこのBlogで登場している古い電子楽器たち(例えばこんな過去記事で)ですが、これらの楽器たち用のモニタスピーカーとして、RolandのMA-4(公式より使用中止のお願いが出ていました)を使っていました。
#構成としては、Soundtracs(←公式Webサイトが見つからず…)のTopaz Macro 14ch Mixer(←Sound On Soundの記事)に各電子楽器からの信号を入れてモニタスピーカーに出力しています。
公式Webサイトで「使用中止」と言われてしまうと、使い続けるのが怖くなってきて、ちょっと中身を確認してみることにしました。
このモニタスピーカーは、右側のスピーカーにアンプが内蔵されていて、そこから左側のスピーカーにケーブルをつないでステレオで鳴らすことができるというものです。構造的には、あまり複雑でもなく高級感のあるものでもないので、左右それぞれ数本のネジを外してしまえば中身にアクセスすることができます。
アンプ基板の入っている右側のスピーカーには大きなトランスが入っていて、これが重量の大部分をしめている感じでした。「使用中止」を言われる理由が「電解コンデンサの問題ではないか」と思って開けてみたのですが、基板上の電解コンデンサの頭は膨れておらず、大きな問題は感じませんでした。しかしよく見てみると、1つだけ電解コンデンサの側面に白い粉のようなものが付着しているものがありました。粉を拭き取ってみると、側面に小さなひび割れがあるように見えました。やはり使わない方が良いと判断し、まずは使えそうなスピーカーユニットを取り出すことにしました。
スピーカーユニットには、「P3DUC-12(4Ω5W)」と書かれていました。Google先生に聞いても情報が見つからなかったので詳しいことはわかりませんが、大きなマグネット(内磁型磁気回路なのでマグネット自体は外からは見えない)で見た目は良い感じ。古いので減磁していなければよいのですが、以前に自作した、PAM8610デジタルアンプICモジュールとMT3608 DC-DCコンバータICモジュールなどを組み合わせたパワーアンプにつないで音が出るか試してみました。すると、モニタ用のスピーカに使われていただけあって素直な感じの音が出たので、これなら使えると思いました。
MA-4に内蔵されていたトランスには、「HKSP-96877」との刻印がありましたが、これも情報が見つかりませんでした。(MA-4に使われていたトランスであることだけは情報として見つけましたが、「知っとるがな」ということで)INPUT AC 100V(50/60Hz)でOUTPUT AC 11V/1.5Aと刻印されているので、このトランスでAC100VをAC11Vまで落として、基板側で電子部品(ダイオードや抵抗、コンデンサなど)で直流にしているのだと思います。
#トランスからの電気(AC11V)を、4つのダイオードに通すような設計になっていました。三端子レギュレータのようなものは見当たりませんでした。
MA-4の基板に載っていたアンプICはJRC(日本無線)の4558DD(←Datasheet)というデュアルオペアンプICとSANYOのLA4597(←Datasheet)という2chパワーアンプICが使われていました。Roland独自のものではなく汎用的なIC部品を使っているので、これらのICは何かに使えるかもしれないと思って基板から外して部品としてストックしておくことにしました。
さて、本格的にMA-4の再生?を目指してスピーカーユニットを使えるようにするとなると、別のアンプを用意しなければなりません。
これまでも紹介してきた「PAM8403(←Datasheet)」というデジタルアンプICを載せたモジュール(GF1002)を使えば一応音の確認くらいはできそうですが、低音・高音のバランス調節もすることができたMA-4より単純なものになってしまいます。そこで、NE5532(Texas Instruments)を載せたプリアンプモジュールを購入して、PAM8403と組み合わせて使ってみたらどうなるか、実験をしながらプリメインアンプを作ってみることにしました。
ここまで準備したところで、長くなってしまったので続きは次回にします。
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