2008年12月27日土曜日

TBS「あの戦争は何だったのか」を観て

先日、TBSテレビでやっていた「あの戦争は何だったのか」という番組を録画して観ました。戦争ほど悲惨なものはないはずなのに、それを望んだ日本国民。政治は「統帥」権によって軍部に翻弄され、国民は戦争を求めて「陶酔」していた。今は故人となった筑紫さんの代わりに鳥越さんが出演されて、戦後60年以上が過ぎた今だからこそ、あの太平洋戦争を総括するという趣旨で番組が製作されていました。

当事者の様々な思いがある中で、意図的であるなしに関わらず「真実」がはっきりと見えてこない太平洋戦争を、できるだけ事実に基づいて総括しようという試みは、とても重要だと思います。また、視聴者を飽きさせないための配慮からか、ドキュメンタリー部分とドラマ部分に分けられていて、4時間半という長時間番組にもかかわらず、十分に意図を読み取ることができるものになっていたと思います。
#ドラマの配役については少々異議がありますが、本質的でないので割愛します。(^_^;;;

全体を通して感じたことは、「知らないことの恐ろしさ」です。知らないこと、おろかであることは、一面幸せかもしれません。しかし、それこそが恐ろしい戦争へと人々を駆り立ててしまったのだと思います。自分が無知であることを自覚し、知らなければならないことがたくさんあることを自覚して、真摯な態度で学び、冷静かつ論理的に熟慮することができる人が多ければ、もしかするとあの戦争は起きなかったのかもしれません。その意味では、未だに「戦争をしない人類」になれていない現状を打開する方法は、(広義の)教育にあると言っても過言ではないのかもしれません。

そんなことを考えながら、ふと本当にこれを観るべき(観せたい)次代を担う子どもたちのどのくらいが、この番組を観ていたのだろうかと思うと、悲観的な思いを抱かざるを得ません。心ある大人を自負するならば、「何を知るべきなのか」ということと合わせて「知らないことの恐ろしさ」を子どもたちに伝え、平和への思いを(自分が戦争世代じゃないからと)臆することなく語ることが重要であると思っています。

何よりも、同じ道をたどることだけは絶対に避けなければならないと思います。

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