以前の続きです。これまで、Linux MintでRaspberry Pi Picoを動かしていました。そもそも、Raspberry Piという名前を冠しているということは、本家Raspberry Pi(これも基本はLinuxベースOSで動かします)との親和性が高いはず。ということで、PicoをRaspberry Piで動かしてみたいと思います。今回は、普段はiMacの裏側において時々実験的に使っているRPi 3(HPのスリムタワーケースに入っている)とRPi 400を使って、Picoのプログラミングができるか検証してみます。Linux Mintのときと同様にThonnyとVisual Studio Codeを使いますが、インストールはRPiメニューの「設定」→「Recommended Software」から簡単にできます。
#手順としては、RPi 400でやってみて、同じことをRPi 3で検証するという方法で行いました。
〈Thonnyの場合〉
まず、RPiメニューから「Thonny」を起動して作業開始。起動したThonnyの画面上部に表示されたメニューアイコンの右端に「Switch to regular mode」という文字だけのメニューがあるのでこれをクリックします。一度Thonnyの画面を閉じて再び起動すると、メニューアイコンの上に文字のメニューが現れます。「Tools」メニューから「Options…」を選択し、「Language」を「日本語」にします。もう一度Thonnyを閉じて再度起動すると、メニューが日本語になります。(一部日本語化できていない部分もあります)
次に、「表示」メニューから「ファイル」にチェックを入れて「ファイル」の窓を表示させます。「実行」メニューから「インタプリタ設定…」を選択し、コードを実行するインタプリタを「MicroPython(Raspberry Pi Pico)」にしておきます。これで準備は完了です。一度Thonnyを終了させて、PicoをUSBで接続してから再びThonnyを起動して作業を続けます。
#Picoを接続してThonnyを起動すると、「インタプリタ設定(Select interpreter)…」で「ポート(Port)」の選択が可能になります。ここで、「<ポートの自動検出を試す>」にしておくと、自動的にPicoが接続されました。RPi 3では、「Board in FS mode - Board CDC (/dev/ttyACM0)」を明示的に選択しましたが、RPi 400でも明示的に選択できます。
あとは、過去の拙Blogの記事を参考にして、PicoのLチカ実験をしてみます。今回は、既にMicroPythonが使えるように設定をしてあるPicoを使いましたが、まだの場合はその設定作業も必要です。(前出の拙Blog記事を参考にしてください)実験したLチカプログラムは、今までと同じものです。
from machine import Pin
import utime
led = Pin(25, Pin.OUT)
while True:
led.toggle()
utime.sleep_ms(400)
あらかじめローカル(「ドキュメント」など)に保存しておいた.pyファイルをファイル窓から開いても、Pico内に保存されているmain.pyを開いても、どちらも実行ボタンをクリックして動作させることができました。
〈Visual Studio Codeの場合〉
Visual Studio Codeでも同じことをやってみます。RPiメニューから「Visual Studio Code」を起動して、窓の左側に縦に並んだアイコンの中から「Manage」をクリックし、一番上の「Command Palette…」をクリックします。ここから、「Configure Display Language」を選択し、「日本語」を選んでインストールします。(インストールが終わると再起動が促されます)
次に、同じく窓の左側に並んだアイコンの中から「EXTENSION」を選択し、検索窓に「Pico」と入れて検索すると「Raspberry Pi Pico」の拡張機能が出てくるので、これをインストールします。続いて、先述したLinux Mintでの経験から、検索窓で検索して「MicroPico」もインストールしました。以前は、この状態からPicoをつなぐとつながった感じになったのですが、今回はなんか手応えがない感じ。「▶✓」ボタンから「専用ターミナルでPythonファイルを実行する」をクリックしても、「ターミナル」の窓でエラーが発生している旨のメッセージが出てプログラムが止まってしまい、「問題」の窓には、「”machine”や”utime”って何?インストールされていませんけど?(意訳)」というようなメッセージが出てしまいます。
そもそも、「Python」や「micropython」が動いていないのかもしれないと考えて、これらも検索してインストールしましたが結果が変わらず。どうやっても「machine」や「utime」がネックになっているようです。そこで、「Raspberry Pi Pico」の拡張機能を入れたときに出てきたPicoのアイコンから、「New MicroPython Project」を選択して作業を進めてみることにしました。作業スペース(フォルダ名)を「LED(←これは任意の名前でよいです)」として「ドキュメント」フォルダ内にMicroPython用の作業スペースを作ると、「LED」フォルダ内に「blink.py」というLチカプログラムが自動的に作られていました。
この「blink.py」を開こうとすると「machine」や「utime」をインストールするかと聞かれるので案内に従って作業を続行します。すると「IntelliCode」という拡張機能のインストールが行われ、窓の下側に「✓Pico Connected」や「Run」「Reset」といった見覚えのあるメニューが並びました。
この状態で「blink.py」を前面にして「Run」ボタンをクリックすると、無事にLチカできました。続いて、もともと自分で作って保存していたLチカプログラムでもやってみましたが、問題なく動かすことができました。ただしRPi 3では、Visual Studio Codeをインストールしようとするとエラーが出てしまい、インストール自体が(理由は未検証ですが…)できませんでした。残念ですが、Visual Studio Codeの方がより大掛かりなシステムなので、RPi 3では非力すぎるのかもしれません。その意味でも、Thonnyの方が初学者にとってハードルが低いのではないかと思いました。
【追記】これまでのPicoでのプログラミング(フィジカル・コンピューティング)に関する拙Blogの記事もご覧ください。(2024.11.4←これからも適宜更新していきます)
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