以前に紹介して、使用中に音が出にくくなったので、「古いものだから処分しようか…」とか「修理を試みてみようか…」とかと逡巡しながら、結局放置してしまっていたYAMAHAのA100(←資料なし)というパワーアンプについて、隙間な時間を使って少しずつ修理を試みたという話です。とは言え、古い音響機器をどれだけいじれるかはわからないので、できるだけ簡単な作業で直ってくれたらありがたいと思いながら、少しずつやってきたことをまとめておきたいと思います。
まずは筐体の上面カバーを取り外して中の状況を眺めてみました。基板上にはホコリがそれなりに付着しているものの、箱に入れていた期間が長かったためかそこまでひどく汚れているとは感じませんでした。次に、電解コンデンサが膨らんでいないかとか、液漏れしていないかとかということを確認してみました。こちらも特に問題は感じられないくらいにはきれいな状態で、なぜ不具合が生じたのかがわからないくらいでした。ここで一瞬「基板を外して全バラしなければダメかな…」とも思ったのですが、ダメ元で「洗浄」を試みることにしました。
実は、YouTubeなどでPCのマザーボードなどを修理する際に、「水洗い」してよく乾燥させると復活することがあるという話を聞いていました。今回は、これをやってみようと思ったのです。ただ、電気を流すものに水をかけること自体が精神的に抵抗を感じます。そこで、高圧洗浄機ほど強くはないけれどジョーロほど弱くない程度の強さのシャワーで洗って、ある程度水を切ったところで呉工業(KURE)のエレクトロニッククリーナーで洗浄することにしました。さらに、乾燥させると同時に2-26で残った水分を飛ばしながら接点復活を図りました。見た目はかなりきれいになりましたし、分解せずにできることはこの程度かなと。あとはしっかり乾かす作業です。(時の流れに身を任せるだけです)
さて、この機会にA100の中身を確認してみます。見える範囲で使われているICなどを確認してみました。型番などがわかった部品は以下のとおりです。
- IC1…BA4558(Rohm デュアルオペアンプ)
- IC2…(μP)C1237HA(NEC ステレオパワーアンプ用プロテクタIC)
- Q101とQ201…(2S)C3421(TOSHIBA NPNエピタキシャルトランジスタ=バイポーラトランジスタ)
- Q102とQ202…(2S)C4386(サンケン電気(SK) NPNトリプル拡散プレーナートランジスタ)
- Q103とQ203…(2S)A1671(サンケン電気(SK) PNP パワートランジスタ)
- 電源トランス…TKK SP-66988-P OKM(←詳細不明)
いろいろなメーカーから部品を調達していたことがわかって、当時の設計意図を知りたくなりました。今は、1チップのデジタルパワーアンプICがあるので、そのうちYAMAHAのデジタルアンプICを載せたパワーアンプキットを購入して、聴き比べをしてみたいと思いました。
ということで、洗浄を終えて筐体の上面カバーを戻して、緊張の動作確認をしてみます。一度思い切り水を浴びせていますので、ショートしてスパークしても対応できるように(!)、屋外で作業をしました。(真似する場合は、自己責任&よく調べてからやるようにしてください)結果としては、問題なく音が出るようになりました。
#動作確認中に音の出方が不安定になることがあったのですが、使ったケーブルが悪かったようで、TRSジャック部分を切断して新しいものにつけ直しをしたら問題はなくなりました。
それよりも、実験をしている狭い自室では、A100の出力インジケーターの針がほとんど動かない程度にしか音量を上げられず、完全にオーバースペックなのが辛いところです。楽器用のパワーアンプなので音の再現性も高く、買ったときから気に入っていたことを思い出しました。せっかくなら、大きな音で立派なスピーカーで鳴らしてやりたいとは思うのですが…。
#今回使ったスピーカーは、以前紹介した実験用の2 Wayスピーカーです。
ということで、修理と言えるほどのことはしていませんが、何とか使える状態にまでは戻すことができました。このA100は、小さなライブハウスで演奏するくらいの使い方であればまだまだ現役で使えるのではないかと思います。(演る予定は全くありません。キリッ)
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