2025年10月2日木曜日

超古いMebius(PC-AL50G5)を整理する

以前からこのBlogでも紹介してきたSHARPMebiusPC-AL50G5)ですが、情報処理推進機構(IPA)の「学校教育現場におけるオープンソースソフトウェア活用にむけての実証実験 ZDNET(「教育現場におけるデスクトップ Linux 導入の実証実験を開始 アルファシステムズ」PDF)」に参加した際に導入していただいたもので、私個人に譲渡されてから、そろそろ十数年が経とうとしています。

【当時公開された情報】

当時は、KNOPPIXをベースに、アルファシステムズさんが改造したオリジナルのKNIPPIXで動かしていましたが、その後はいろいろといじりまくって、現在はPuppy Linuxで運用しています。古いからと言って使えない訳でもないのでしばらく延命作業をしてきましたが、使わない期間が長くなって経年劣化も気になり始めたので、処分するもの、これからもメンテナンスを続けるもの、動作実験環境としてさらにいじりたおすもの等に分別して整理することにしました。

特に問題だったのは、液晶にカビのようなものが発生して映りが悪くなったりところどころ見えなくなったりしているものがあったことでした。これは処分の候補としては最優先となります。他にも、ヒンジ部分やラッチのところに問題が発生していて、物理的に壊れてしまっているものも優先的に処分することにしました。バッテリーも劣化していて液漏れ状態のものもありましたが、この機種は、ACアダプターの電源だけでも起動&作業が可能なので、バッテリーなし状態でも問題なく使うことができます。処分するものをまとめるために、バッテリーの液漏れが見つかったものと物理的に壊れているものを組み合わせて、「処分用PC」を作っていきました。作業を始めたのは良いのですが、完品状態のものが18台もあるため、なかなか作業が進みません。とりあえず、本体の状態とバッテリーの状態を確認して、4台ほど処分することにしました。
#処分するものは、すべてHDDとメモリー、光学ドライブを抜き取りました。

回収は、リネットジャパンさんにお願いしました。これまでも、何回か利用させてもらっているし、居住市が連携市町村に入っているので他の選択肢もないためです。(もう少し新しいものなら、リサイクルショップへ持ち込むという手もあったかもしれませんが…)段ボールも用意して自分で梱包しましたが、ありがたいことに夕方に申し込んで翌日の午前中には引き取ってもらえるとのこと。
#ついでに、引越し作業の中で液晶を壊してしまったモニタ(当時は、買ってそれほど経っていなかったのでショックが大きかった…)とかなり古いiPhoneを1台を一緒に処分することにしました。

翌日の正午前に宅配便業者が引き取りに来て、無事に持って行ってもらいました。特に中身を確認するでもなく、伝票1枚であっさりとしていました。翌日には、今回引取をお願いしたPCたちが、予定通り業者に届いた旨のお知らせがメールで届きました。職場で「古いPCを4台捨てたんだ。」と話したら、「えっ!? ∑(゚Д゚)」って顔をされました。(^-^;;;
#回収から約2週間後には、「処理完了」のお知らせが届きました。

残りのMebiusは、メンテナンスをしながらもう少し使えるかどうかやってみようと思っています。まぁ、あまり遠くない将来に、あと数台処分してしまいたいと思っているのですが…。

2025年9月25日木曜日

FAMIC on USBを試してみる~Linux Mintでも使えるかやってみる

以前の続きです。「FAMIC on USB」というMML(Music Macro Language)でプログラムできる音楽系ガジェット(小さなマイコンボード)を使ってみています。これまでは、MacBook ProGoogle chromeを使った動作確認をしてきましたが、今回はLinux Mintで動かしている自作PCでも動作確認をしておきたいと思います。

使っていてわかってきたこと(どこかに明記されているかも…)ですが、仕組みとしては、DACのようにPCから音声出力する仕組みを利用してデータの書き込みを行っているようなので、DACのように認識されてしまえば理論的にはLinuxでも使えると思います。今回の動作確認には、自作PCのUSB 3.0ポートにUSB 3.0対応のケーブルを挿して、そこにFAMIC on USBをつないで検証します。今回もYAZAWATVR35WH(電池駆動のアンプ付きスピーカー)を使って音が出るか確認します。

Linux版のGoogle chromeで「MML Playground」にアクセスしてMMLでプログラムを作ります。普段は、ヘッドホン出力をBluetoothで飛ばしてスピーカーから音を出しているので、プログラムが完成するまではスピーカーから音を出して確認します。以前からやってみたかった「呼び込みくん群馬電機株式会社製)」の曲を再現してみました。(耳コピですけどね)音の長さをどう表現するか少し悩みましたが、「MML Command Reference」も参考にしながらそれらしいプログラムを作りました。
#著作権等を考慮して、プログラム自体の公開は控えておきます。

いよいよFAMIC on USBを接続してみます。USB 3.0ポートにUSB 3.0ケーブルでつなぐと、予想通りDACと同じように自動的に認識されて、「Analog Output FAMIC WRITER」と「Digital Output (S/PDIF) FAMIC WRITER」として認識されました。デフォルトで「Analog…」の方が選択されるようなので、そのまま「FAMIC WRITE」ボタンをクリックしました。緑のLEDが点灯して、書き込まれている感じになりましたが曲が流れず、リセットボタンを押すともともとプログラムされていた音が流れます。ならばと思い「Digital…」の方でもやってみましたが、結果は同じでした。

この後、挿し込むUSBポートを2.0の方にしてみたり、USBケーブルを2.0対応のものに替えてみたり、書き込むデータを「Example」から選んだものにしてみたりといろいろと試行錯誤してみましたが、どのパターンでも書き込むことができませんでした。挙動としては、緑のLEDが2回点灯するので、書き込もうとしていることはわかるのですが、青のLEDの方は全く反応していないように見えます。

うまくいく方法はないものかと「歯車(設定)」アイコンをクリックして、「WRITING SPEED」を「9600 baud」から「4800 baud」に変更してみました。ダメ元で「FAMIC WRITE」をクリックして書き込みを試みると、青のLEDも点灯して無事に書き込むことができました。「WRITING SPEED」を「4800 baud」にした状態でUSBポートとUSBケーブルの違いを再度検証してみましたが、USBポートやUSBケーブルの問題ではなく、単に書き込み速度(ボーレート)の問題だったことわかりました。

Linuxでの使い方にはちょっと工夫が必要ではありますが、使えることがわかってホッとしました。MMLでのプログラミングについては、もう少しスマートにわかりやすく書けるようになりたいと思いました。自己満足の世界ではありますが、昔ファミコンで遊んだゲームの音を再現して遊んでみるだけでなく、ファミコン音源(のようなもの)で様々な楽曲を演奏できるのが面白いと思いました。

2025年9月15日月曜日

M5Stackを使ってみる〜とりあえずLinuxで使えるか試す

以前の続きです。前回は、MacBook Proを使ってM5StackCORE BASIC V2.7の動作確認をしました。macOSでは、Upload時にエラーが出てうまく動かすことができませんでした。今回は、Linux Mintで動かしている自作PCを使って動作確認をしていきたいと思います。

自宅のMintには、Linux版Arduino IDE(2.3.6)をインストールしています。これを起動して、MacBook Proでやったときと同じように、ボードマネージャで「esp32(2.0.17)」を、ライブラリマネージャーで「M5Stack(0.4.6)」をインストールしておきます。
#「esp32」は、2.x系のものを使わないとダメみたいなので。

M5StackをUSBケーブルでPCにつないだ上で、「ツール」メニューから「ボード:」の項目を選択して、「esp32」→「M5Stack-core-ESP32」を選択し、さらに「ポート:」の項目を選択して、「/dev/cu.usbserial-…(LilyGo T-Display)」を選択します。(「LilyGo T-Display」というのがあるらしい←何故これでよいのかはわからないけど…)次に、「ファイル」メニューから、「スケッチ例」→「(カスタムライブラリのスケッチ例)M5Stack」→「Unit」→「CardKB」とたどってプログラムを開きます。

この状態でちょっと試しにと「→(コンパイル&書き込み)」ボタンをクリックしてみました。すると、何の問題もなくコンパイルとUploadが完了してしまいました。もしやと思ってGroveポートにCardKBをつなぐと、キーボードとして使うことができました。Cardであることにこだわった製品なだけに、タクティルスイッチが薄くて押し難かったり、挙動が不安定だったりして必ずしも使いやすいとは言えませんが、使えることだけはわかりました。M5StackのGitHubサイトにあった、Arduino IDEのサンプルプログラムでも試してみましたが、こちらも問題なくコンパイルと書き込みができて使えることがわかりました。

MacBook Pro(macOS)ではできなかったのに、Linux Mintでは意外にあっさりとCardKBが使えたので、その他のユニット類についてもMintで動作確認をしてみようと考えました。さしあたってUNIT-SYNTH(仏:dream社のSAM2695を内蔵したシンセサイザーユニット(「SYNTH」と略記))で音が出せるかやってみようと思いました。先に結論から言うと、そもそも今回使っているCORE BASIC V2.7のGroveポートはI2C(「PORT.A」と言うらしい)にしか対応しておらず、「PORT.C(UART)」対応のSYNTHユニットは使えないことがわかりました。orz
#「M5Stack Groveポート A-B-C」を参考にしました。

前回の記事で、すでにフラグが立っていたことに気づいて悶絶してしまいましたが、Groveポートの「色の違い」に違和感を覚えなかった自分にも問題がないとは言えません。ちなみにですが、「PORT.A(I2C)」は赤、「PORT.B(I/O=GPIO」は黒、「PORT.C(UART)」は水色となっています。M5Stick-CやCardKBのGroveポートの色は白ですが、これはそもそものGroveポートの色が白だったためではないかと推察しています。

一応、Arduino IDEで作業した手順だけは記録しておきます。CardKBを動かした状態からなので、既にArduino IDEとCore Basicはつながっている状態からの手順と考えてください。

  1. ライブラリマネージャーから「M5UnitSynth(1.0.1)」ライブラリーをインストールする。
  2. 「ファイル」メニューから「スケッチ例」→「(カスタムライブラリのスケッチ例)M5UnitSynth」→「piano」を選択して開く。
    ※見つからない場合は、M5Stackの「UNIT-SYNTH」公式サイトで公開されている、サンプルプログラム(「ドラム」と「ピアノ」)を使ってください。
  3. 「→(コンパイル&書き込み)」ボタンをクリックして、実行プログラムをUploadする。
  4. Core BasicにSYNTHをつなぐ。

ここまでの作業でUploadには成功するものの、SYNTHユニットから音が出ることはありませんでした。他に使えるようにする方法がないか調べてみたいと思います。

M5Stackを使ってみる

2025年9月7日日曜日

Arduino® UNO R4 WiFiを使ってみる〜Linuxでも使えるかリベンジも兼ねて

前回の続きです。Arduino UNO R4 WiFiの動作確認をしています。Arduino UNO R4 Minima動作確認のときは、Linux版のArduino IDEで動かすことができなかったところで終わっていたのですが、今回、R4 Minimaでの再チャレンジも併せてR4 WiFiの動作確認もしていきたいと思います。
#いつものLinuix Mintで動かしている自作PCで検証します。

まず、Linux版Arduino IDE(2.3.6)を起動して、改めて「Arduino UNO R4 Boards(1.5.0)」をインストールすることにします。「ボードマネージャ」で「UNO R4」を検索して、「Arduino UNO R4 Boards」を選択して「インストール」ボタンをクリックします。以前うまく行かなかったときから、R4 Minimaへの対応状況に変化があるか確認するために、「ツール」メニューから「ボード:」を「Arduino UNO R4 Minima」に、「ポート:」を「/dev/ttyACM0(Arduino UNO R4 Minima)」に設定しました。「ファイル」メニューから「スケッチ例」→「01.Basics」→「Blink」を開いてLチカ動作確認をしてみます。残念なことに、R4 Minimaでは、まだdfu-utilのDFUエラーが解消されておらず、エラーが出てしまって書き込むことができませんでした。

ダメ元で、ボードをR4 WiFiに交換して動作確認をすることにしました。「ツール」メニューから「ボード:」を「Arduino UNO R4 WiFi」に、「ポート:」を「/dev/ttyACM0(Arduino UNO R4 WiFi)」に変更して、「→(コンパイル&書き込み)」ボタンをクリックしてみました。すると、問題なくプログラムを書き込むことができてLチカ動作確認ができてしまいました。\(^O^)/(一人で勝手に盛り上がる)

こうなると、Linuxで使えないR4 Minimaが不便(不憫)に感じます。ファームウェアのアップデートで解決するかもしれないと考えて試行錯誤してみましたが、アップデートできるArduinoの種類が決まっているようです。詳しくは、公式のサポートページ「Use the Firmware Updater in Arduino IDE」に情報がありました。現時点では、R4 Minimaのファームウェアアップデートには対応していないようです。
#R4 WiFiの方は、Linux MintでもMacBook ProでもArduino IDEを使ってファームウェアアップデートができました。

R4 WiFiの方は、MacBook Proでの動作確認で使用した「PlayAnimation」をLinux版Arduino IDEで開いて無事にコンパイル&書き込みができました。調子に乗って、以前はできなかった「Arduino UNO R4 WiFiを使って、ネットから日時取得 のプログラム」を持ち込んで、ダメ元でコンパイル&書き込みをしてみたところ、問題なく動いてしまいました。(狂喜乱舞!)どうやら、プログラムの書き込みが完了したor書き込まれた状態で電源をつないだときに、Wi-Fiにつなぐことを試みているようなのですが、そのタイミングでうまくWi-Fiにつながることができないと、それ以降はもう一度電源をつなぎ直す以外にWi-Fiにつなごうとしてくれなくなるようでした。
#参考にしたプログラムを少しいじれば、解決するかもしれませんが…。

そんなことならと思い、MacBook Proの方でも再度チャレンジしてみましたが、コンパイル&書き込みの後、何度か電源をつなぎ直すと動いていることが確認できました。いろいろと試行錯誤させられましたが、うまく動かなかった原因がプログラムの問題ではなかったとわかってホッとしました。つまずきの原因が、意外と単純なことだというのはよくあることなのでよしとします。

2025年9月2日火曜日

Arduino® UNO R4 WiFiを使ってみる

これまでにも何度か紹介しているArduinoですが、フィジカル・コンピューティングと言えばなマイコンボードで、広く普及し始めた(「自分が使い始めた」と同義ですが)Arduino Duemilanoveの時代から愛用しています。小学校教育にフィジカル・コンピューティングを導入する研究をしてきたので、自宅には当時購入したDuemilanoveが複数枚あります。その流れで、UNOLeonardoとその互換ボード、M0、Genuino 101(Arduino 101)などもあって、シールド類も含めるとかなりの数に上ります。

以前、Arduino UNO R4 Minima動作確認をしていましたが、ようやくArduino UNO R4 WiFiを入手したので、こちらも動作確認をしていきたいと思います。
#おさらいではありますが、R4シリーズには、ルネサスRA4M1チップ(32bit Arm® Cortex®-M4内包)が使われています。
#UNO R3までのArduinoは、PCなどと接続する際に標準サイズやmicroサイズのUSB-Bコネクタを使っていましたが、R4からはUSB-Cコネクタが採用されていることも大きな違いになっています。

R4 WiFiは、その名の通り無線LANに接続できる機能が付加されているのですが、私自身は「マトリクスLED(8*12)」の方に興味があり、これを使いこなしてみたいという衝動に駆られて購入したのでした。ネットで情報を探していると、Wi-Fi経由でNTPサーバから現在時刻を取得する使い方が紹介されていました。ありがたいことに、取得した現在時刻をマトリクスLEDに表示するプログラムを作って紹介しているサイト「Arduinoマイコンボードでの実験備忘録」を見つけたので、今回は「Arduino UNO R4 WiFiを使って、ネットから日時取得」と「Arduino UNO R4 WiFiを使って、ネットから日時取得 のプログラム」を参考にしながら動作確認をしていくことにしました。

動作確認は、いつものMacBook Proを使います。Arduino IDE(バージョンは「2.3.6」)を起動して、「ツール」メニューから「ボード:」の項目を選択して、「Arduino UNO R4 Boards」→「Arduino UNO R4 WiFi」と選択します。(「Arduino UNO R4 Boards」をインストールしていない場合は、ボードマネージャでのインストール作業が必要です)R4 WiFiをUSBケーブルでつないで「ツール」メニューから「ポート:」の項目を選択して、接続したR4 WiFi(/dev/cu.usbmodem…(Arduino UNO R4 WiFi))を選択します。これで準備は完了です。

先ほど紹介させていただいた「プログラム」をもとに、少しだけ改造して作ったプログラムを「→(コンパイルと書き込み)」ボタンをクリックして作業を進めます。コンパイルにエラーはなく、問題なく書き込まれた感じになりました。R4 WiFiの方も動こうとしている感じがするので、プログラム自体は書き込めているのだろうと思います。しかし、うまく動きません。中の処理がどうなっているのかわからないので、どこでつまずいているのかはわかりません。でも、動作が途中で止まってしまうようなので、原因を考えていきたいと思います。

仕方がないので、「ファイル」メニューから「スケッチ例」→「(Arduino UNO R4 WiFi用のスケッチ例)LED_Matrix」→「PlayAnimation」を開いて使うことにしました。「→(コンパイルと書き込み)」ボタンをクリックするとエラーもなく無事にコンパイルと書き込みが行われ、Animationが表示されました。これで、マトリクスLEDの初歩的な使い方わかりました。あとは、はじめに動作実験を行った「マトリクスLEDに時刻を表示する」プログラムがどうすれば動くのか、試行錯誤してみたいと思います。

2025年8月22日金曜日

M5Stackを使ってみる〜6年以上前からの再挑戦

既にだいぶ前のことになってしまいましたが、M5StackCORE BASICの初期のバージョンを購入して時計のようなものを作ってみるところまではやっていました。その後、バッテリーを内蔵しているBOTTOMを取り外そうとしたときにピンコネクタが固くてなかなか外せず、無理やり外して筐体のプラスチックにヒビが入ってしまいました。Σ(゚Д゚;それ以来、使う気にならず長らく放置してしまっていました。
#この失敗は、割と多いらしい。

当時一緒に買った「ウォッチバンド(Watch)」も本体を壊してしまったので使い道がなくて放置。その後、M5Stick-Cのウォッチバンド付きを買って気を取り直そうと試みましたが、はじめの失敗から立ち直れず、また壊してしまうかもしれないという気持ちと、他にもやりたいことが増えてしまったということで結果的に放置状態が続いてしまいました。

とは言え、全く興味を失っていた訳ではなく、「いつか使ってみよう。」と思いながら、少し前(いつだったか忘れてしまったけれど…)にCORE BASIC V2.7が販売されているのを見つけたのでもう一度買い直し、目に止まった周辺機器(Unit類など)も買い揃えていっていつでも再挑戦できる状態になっていました。手元にあるUnit類は、以下の通りです。

  • Unit CardKB v1.1…タクトスイッチが並んだカードサイズのキーボード(「CardKB」と略記)
  • DSOアダプタ…M5Stackをオシロスコープとして使えるようにするアダプタ(「DSO」と略記)
  • Unit-Synth…仏dream社のSAM2695を内蔵したシンセサイザーユニット(「Synth」と略記)
  • Unit-MIDI…同じくSAM2695内蔵のMIDI音源ユニット(「MIDI」と略記)

最近のM5Stackのプログラミングは、UIFlowUIFlow2を使うことが推奨されているようで、micro:bitなどと同様に、Webアプリケーションでプログラミングをするようです。ドキュメントも充実していて、「Basicファームウェアの書き込みとプログラムのプッシュ(UIFlow)」やタイトルは同じですが「Basicファームウェアの書き込みとプログラムのプッシュ((UIFlow2)」を参考にすれば、それほど難しくはないと思います。いずれにしても「M5 Burner」をインストールしてM5Stackのファームウェアを書き換えなければならないので、それさえクリアできれば後は快適に使えると思います。(希望的観測)

と言っておきながら、今回は以前にも紹介したことがあるArduino IDEを使って4つのUnit類の動作確認をしていきたいと思います。動作確認は、いつものMacBook Proを使います。順番はどうでも良いのですが、気持ち的に購入順で一番上のCarKBからにします。

インストール済みのArduino IDE(バージョンは「2.3.6」)を起動して、「ファイル」メニューから、「スケッチ例」→「(カスタムライブラリのスケッチ例)M5Stack」→「Unit」→「CardKB」とたどってプログラムを開きます。「ボードマネージャ」から「esp32(バージョンは「3.3.0」)」を検索してインストールして、「ライブラリマネージャー」から「M5Stack」と「Arduino GroveI2C Ultrasonic」ライブラリを検索して、インストールしておきます。(ライブラリの方は、必須ではないかもしれません)

この状態で、先ほど開いたプログラムがコンパイルできるかやってみました。「ツール」メニューから「ボード:」の項目を「esp32」→「M5Core」にします。「✓(検証=コンパイルする)」ボタンをクリックしてコンパイルが通るかやってみましたが、エラーを吐いて止まってしまいます。(ライブラリ内の「pngle.c」が求める「rom/miniz.h」が見つからないと言われます)

ダメ元でGoogle先生に訊いたところ、「Fix for rom/miniz.h Compilation Error in M5Stack Arduino Sketch」というページを教えてくれました。どうやら、「esp32」をダウングレードせよという話のようです。先程インストールした「esp32」を削除して、「esp32」のバージョン「2.0.17」をインストールしました。(2.x系でインストールできる最新バージョンがこれだったので)この状態で、「ツール」メニューから「ボード:」の項目を選択して、「esp32」→「M5Stack-core-ESP32」を選択し、「✓(検証)」ボタンをクリックしてコンパイルすると、無事にコンパイルが通りました。

次に、M5StackをUSBケーブルでつないで「ツール」メニューから「ポート:」の項目を選択して、接続したM5Stack(/dev/cu.usbserial-…(LilyGo T-Display))を選択します。「LilyGo T-Display」とは何者?何故ここに?と思いましたが、このままスルーすることにして「→(書き込み=コンパイルして書き込む)」ボタンをクリックしました。コンパイルまではうまくいくようになったのですが、書き込みでエラーが発生してUploadには失敗してしまいました。

プログラムが悪いのかもしれないと思い、ネットで探していると、M5StackのGitHubにArduino IDEのサンプルプログラムがあったので使わせていただくことにしました。
しかるのちさんの「M5Stack:小型キーボードユニット CardKB」を参考にしました。

このプログラムを使っても、Uploadできない問題は解決しませんでした。なかなか手ごわい。他のものを試す前にLinuxで動くかどうかやってみようと思います。長くなってきたので、続きはまたの機会ということで。

M5Stackを使ってみる

2025年8月12日火曜日

GAOMONのS620(ペンタブレット)を使ってみる

その昔(教員になったばかりの頃)、Wacomのペンタブレットを使っていた記憶があるのですが、ちょっと奮発して買ったように思います。(型番等はすっかり忘れてしまっています)当時は、Macで絵を描いたり画面に表示したものにマークをしたりするなど、結構な頻度で使っていたと思いますが、それが壊れたか何かで使えなくなって、そのうちタッチパネルが当たり前になってきて需要が減ってしまってからは、ペンタブレットを使わない生活が長く続いていました。

そんな中、家族からの問い合わせがあり、ペンタブレットを使いたいとのことだったので、ちょっと探してみることにしました。イマドキは、iPadなどのタブレットPCもあるし、タッチパネル式のモニタもあるので、ペンタブレットの需要が高いとは思えません。Amazonで探してみると、液晶タイプのペンタブレットもあってそこそこのお値段がします。簡単には手が出ないので、今回は純粋にペンタブレットを探すことにしました。そんな中で見つけたペンタブレットがGAOMONの「S620」でした。

大きさは、6.5 inch*4 inchのもので、4つのショートカットキー(スイッチ)が付いています。ドライバーソフトは、公式のダウンロードサイトからダウンロードすることができます。(Windowsだけでなく、MacやLinuxにも対応ということで、メーカーのやる気(?)を感じます)これをダウンロードしてMacBook Proにインストールし、使い勝手を検証していきます。

ダウンロードしたドライバーソフトをインストール(アプリケーションフォルダにコピー)して、「GaomonTablet」アプリをダブルクリックで起動すると、「デバイス(ペンタブレット)が検出されません」と言われます。そこで、ペンタブレットをUSBケーブルでつなぐと、macOS自体がキーボードとして認識しようとして設定を促されます。これをキャンセルして、GaomonTabletアプリがペンタブレットを認識したので設定を進めていきます。私の環境では以下の項目について設定しました。

〈システム設定〉

  • 「プライバシーとセキュリティ」→「アクセシビリティ」
  • 「プライバシーとセキュリティ」→「画面収録とシステムオーディオ録音」

〈GaomonTabletアプリ〉

  • 「ショートカットキー」…パッドの上に並んでいる4つのキー(スイッチ)について、役割等を割り当てることができます。
  • 「作業領域」…画面上の作業領域を決めることができます。

一度設定をしてしまえば、GaomonTabletアプリを起動していなくても、設定したとおりにS620をペンタブレットとして使うことができます。絵を描くだけでなく、マウスのように使うことも可能だし、DTMソフトを使った音楽作成にも活用することができますし、動画編集やPd(Pure data)の操作などにも使えそうな気がします。

動作確認のためにGIMPGarageBandでの操作感を確認してみました。作業したいところにダイレクトに移動可能なところがペンタブレットのよさ(タッチパネルと共通する)だと思います。一方で、モニタ画面全体が、それよりも小さいペンタブレットの作業領域と同等に扱われるため、操作性がよいことばかりではありません。モニタ画面上の位置とペンタブレット上の位置が完全に対応しているので、マウスとの操作感の違いに戸惑うことはあると思います。これについては、GaomonTabletアプリの設定で、「マウスモード」にすればマウスのように使うことができますし、作業領域を設定するとペンタブレットで作業できる範囲を変更することができます。

次に、自作PCで動かしているLinux Mintでも使えるかやってみました。同じくダウンロードサイトからドライバーソフト(debパッケージ)をダウンロードして、ダブルクリックでパッケージインストーラーを起動してインストールします。インストールが終わったら、「Lm」メニューから「GaoMonTablet」を起動します。macOSのときは、はじめから日本語表示になっていましたが、Linux版は英語表示がデフォルトのようで、自分で日本語に設定を変更しました。(「歯車」の設定メニューから変更できます)MacBook Proで設定した内容は、S620本体には記録されていないようで、ショートカットキーの割当などもLinux版のデフォルトになっていました。設定を引き継ぎたい場合は、設定メニュー内の「バックアップ」メニューから「設定エクスポート」で設定を書き出して、「設定インポート」で読み込めば別のPCでも設定が引き継げます。

GIMPとPd(Pure data)で操作感を確認してみましたが、macOSのときと同じように使うことができました。少しだけ違うのは、ドライバーソフトを起動しておかないとペンタブレットが動作しないことです。これは、macOS版のGaomonTabletを初めて起動した際に、ドライバーのようなものが自動的にインストールされるため、GaomonTabletを起動しなくても使えるようになるのだと思います。Linux版のGaoMonTabletの場合は、初回起動時に特に動きがなく、ドライバーソフトを起動しているときだけ使えるようになるというような仕様になっているのではないかと思います。