2025年12月9日火曜日

Freenoveのコントロールボード(Arduino UNO R4互換)を使ってみる

Arduino® UNO R4が販売されるようになって2年以上が経過しています。そろそろ互換ボードが出てきても良いかなと思っていたところ、AmazonFreenoveという中国企業が互換機を販売しているのを見つけたので、どんなものかと思って買ってみました。Arduino UNO R4 Minima互換の「Control Board V5 Rev4 Mini(「V5 Rev4 Mini」と略記)」と、Arduino UNO R4 WiFi互換の「Control Board V5 Rev4 WiFi(「V5 Rev4 WiFi」と略記)」の2つです。
#Freenoveは、学習用のロボットキットなどを製造販売しているメーカーのようです。

本家UNO R4には、ルネサスの「RA4M1」というマイクロチップが搭載されています。チップの表面には、「R7FA4M1」と刻印されています。Freenove版のMiniとWiFiにも、同じくR7FA4M1チップが搭載されていました。同じチップが使われているということは、このチップ由来の不具合は、解消されていないままである可能性が高いということになります。そのあたりも含めて、これまでの知見をもとに検証をしていきたいと思います

今回の動作確認は、MacBook Proを使います。また、Arduino IDEは2.3.6を使うことにします。V5 Rev4 MiniをMacBook Proにつないで、Arduino IDEを起動します。「ツール」メニューから、「ボード:」を「Arduino UNO R4 Boards」→「Arduino UNO R4 Minima」を選択し、「ポート:」を「/dev/cu.usbmodem…(Arduino UNO R4 Minima)」を選択します。ボードマネージャで「Arduino UNO R4 Boards」をインストールしていない場合は、先にインストールしておく必要があります。

次に、「ファイル」メニューから、「スケッチ例」→「01 Basics」→「Blink」を開きます。これで、「→(コンパイル&書き込み)」ボタンをクリックすると、無事にLチカの動作確認ができました。基本的なことではありますが、互換機としての動作に問題はないようです。

V5 Rev4 Miniの動作確認ができたところで、続けてV5 Rev4 WiFiも動作確認をしていきます。同じ環境で動作確認をするために、V5 Rev4 WiFiに差し替えてから「ボード:」を「Arduino UNO R4 Boards」→「Arduino UNO R4 WiFi」に変更し、「ポート:」を「/dev/cu.usbmodem…(Arduino UNO R4 WiFi)」に変更します。動作確認用のプログラムとして、「ファイル」メニューから「スケッチ例」→「(Arduino UNO R4 WiFi用のスケッチ例)LED_Matrix」→「PlayAnimation」を開いて、「→(コンパイル&書き込み)」ボタンをクリックしてみました。すると、無事にマトリクスLEDにアニメーションが表示されて、問題なく動作することが確認できました。調子に乗って、以前の動作確認で使った、「Arduino UNO R4 WiFiを使って、ネットから日時取得 のプログラム」でも動作確認してみましたが、こちらも問題なくマトリクスLEDに現在時刻が表示されました。

Linuxでも試してみようと思い、Linux Mintで動かしている自作PCを使って確認をしてみました。結果としては、本家UNO R4と同じように、V5 Rev4 Miniの方は、「dfu-util」のエラーでコンパイル&書き込みができませんでした。V5 Rev4 WiFiの方は、「PlayAnimation」も日時表示も問題なくコンパイル&書き込みができました。ということで、FreenoveのArduino UNO R4互換コントロールボードでも、全く同じように使うことができることがわかりました。お買い得なのでArduinoブランドにこだわりがなければ選択肢としてありだと思います。

2025年12月1日月曜日

Pro VS MINIをiMacからコントロールできるのか

以前の続きです。BehringerPro VS MINIを購入して、古いMIDIキーボード(RolandのPC-300)でコントロールして音を出してみたところまでやりました。今回は、iMac(こちらもちょっと古め)につないでBehringerのDownload Centerからダウンロードしたソフトウェアが使えるのかやってみたいと思います。

先述の公式ダウンロードサイトでmacOS用の「SYNTHTRIBE(ダウンロード時のバージョンは、ver.2.9.0でした)」をダウンロードして、iMacにインストールします。そもそも、このソフトはBehringerが製造・販売する様々な電子楽器のコントロール(エディットやファームウェアのアップデートなど)をするためのもので、以前からどんなことができるのか使って試してみたいと思っていました。今回は、比較的新しいPro VS MINIにも対応しているのかどうか、確認してみたいと思います。
#ちなみにMIDI&CV/Gateキーボードの「SWING」については、「ControlTribe」という別のソフトウェアが用意されています。いずれも、ダウンロードサイト内で条件を選択しながら探さなければならないので、ちょっと面倒な感じがました。

まず、Pro VS MINIの電源は、USB-Cで供給されるようになっているので、ここからiMacにつないでみました。すると、とりあえず電源が入ることは確認できました。次に、SYNTHTRIBEを起動すると、Behringerのシンセサイザーたちの画像が次々に表示されるだけで、何も起こりません。一瞬、このソフトは製品紹介のソフトなのではと思ってしまいましたが、使っているUSB-Cケーブルが、電源用のものだったことに気がついてUSB 3.0対応のケーブルに交換しました。再びPro VS MINIの電源を入れて、SYNTHTRIBEを起動させようとすると、直後にアプリケーションソフト自体が落ちてしまうようになりました。どうやら、USB-CでつながっているPro VS MINIを探しに行って、何らかの処理をはじめたところで落ちてしまっているようでした。これは、USB 2.0対応のケーブルでやっても変わりませんでした。USBハブをはさまないでiMacに直接つないでも挙動は変わりません。やはり、現状のSYNTHTRIBEは、Pro VS MINIには対応していないのだろうと思います。
#表示される製品写真の中にも、Pro VS MINIは入っていませんでした。

ちょっと残念な気はしましたが、何か手がかりがないかと思って調べてみることにしました。英語の口コミ情報的なものをいくつか読みましたが、以前のバージョンでは使えたことがあったような…?どうして使えなくなってしまったのか。Behringerの公式ダウンロードサイトでは、Pro VS MINIの関連ソフトウェアとしてSYNTHTRIBEがダウンロードできるようになっているので、公式の認識では使えることが前提なのかもしれません。私が使っているiMacは、古いバージョンのmacOSで動かしている(最新のものにはアップデートできない)ので、それが不具合の原因かもしれないと思って、(本当は嫌だったけど…)普段遣いのMacBook Proでもいろいろと試してみましたが、結果は同じでエラーを吐いて落ちてしまいました。これ以上は、私の力ではどうすることもできません。状況に変化があったら、また検証していきたいと思います。現状では、MIDI INがあることを最大限利用して、MIDIキーボードやMIDIシーケンサーなどとつないで音源として活用することを考えたいと思います。

ここまでやってみると、以前に購入していた「RD-6(Classic Analog Drum Machine with 8 Drum Sounds, 16-Step Sequencer and Distortion Effect)」と「TD-3(Analog Bass Line Synthesizer with VCO, VCF, 16-Step Sequencer, Distortion Effects and 16-Voice Poly Chain)」について、SYNTHTRIBEでどんなことができるのか気になってきます。次回以降、これらの電子楽器について、SYNTHTRIBEの使用感を検証していきたいと思います。

2025年11月24日月曜日

M5Stackを使ってみる〜UART接続のUnit-MIDIでドラムマシーンを動かす

以前の続きです。M5StackCORE BASIC V2.7にPORT.C(UART)を追加する「M5StackBasicLite@akita11さん設計・製作)」というベースボードをつないで(はさんで)「UNIT-MIDI(以下「MIDI」)」を動かすことができるか動作確認をしました。「MIDI」には、仏dream社のSAM2695が内蔵されていて、GitHubのサイト内にあった、「M5-SAM2695」のページからダウンロードした「piano.ino(使用時は、ファイル名を「piano_midi.ino」に変更)」を使って、Behringerの「Pro VS MINI」を鳴らすことに成功しました。

今回は、同じ「MIDI」を使って、ドラムマシーン(BehringerのRD-6)を鳴らすことができるかやってみたいと思います。GitHubの「M5-SAM2695」サイトから「drum.ino」をダウンロードして、名前を「durm_midi.ino」に変更しておきます。(理由は、冒頭にリンクした記事を参照してください)これをLinux Mint上のArduino IDE(2.3.6)で開いて、コードを確認します。すると、「piano_midi.ino」のときと同じように「M5_SAM2695.h」を使うようなので、前回使ったものと同じファイルを「drum_midi.ino」を入れているフォルダ内にコピーしておきました。この状態で、Core BasicをUSB-Cケーブルでつないで「ボード」と「ポート」の設定を「M5Stack-Core-ESP32」に合わせてから「→(コンパイル&書き込み)」ボタンをクリックすると、無事にプログラムが書き込まれました。
#例によってYAZAWATVR35WH(アンプ内蔵スピーカー)につないでdrumのプログラムがインストールされていることを確認しました。

この状態で、RD-6とCore BasicをMIDIケーブルでつないでドラムマシーンとして鳴るか確認します。つないだだけでCore Basicを起動すると、「MIDI」には通電するもののRD-6をコントロールすることができませんでした。MIDIのチャンネルが合っていない可能性があるので、RD-6側のMIDI設定を確認することにします。「FUNCTION」 ボタンを押しながら、「PATTERN GROUP」 ボタンを押すと、MIDIチャンネルの設定が変更できるようになります。デフォルトでは、MIDI INもMIDI OUT/THRUもチャンネル「1」になっています。「PATTERN GROUP」 の「Ⅰ」でMIDI OUT/THRUのチャンネルを、「Ⅱ」でMIDI INのチャンネルを設定することができます。「FUNCTION」 ボタンを押しながら、「PATTERN GROUP」 ボタンを2回押すと「Ⅱ(MIDI IN)」の設定ができるようになるので、「10」ボタンを押してチャンネル「10」に変更します。

再びMIDIケーブルで「MIDI」とRD-6をつないでCore Basicの電源を入れると、RD-6が鳴ってくれました。\(^o^)/注意点としては、「MIDI」の「I/O BYPASS」と「SEPARATE」のスイッチを「SEPARATE」側にしておく必要があります。続けて、TRS MIDIケーブルでも鳴るのかやってみましたが、こちらも問題なくRD-6を鳴らすことができました。「piano_midi.ino」でも同じことが言えるかもしれませんが、ループ再生するようなメロディやリズムをプログラムしたものをCore Basicに入れて、電子楽器をループで鳴らしておいて、そこに生の演奏を重ねるような使い方もできるかなと思いました。

余談ではありますが、今回使ったBehringerのRD-6やTD-3、このBlogでも度々登場しているRolandのPC-300(MIDiキーボード)など、電子楽器(中でもエフェクターが多いかな?)に使われるACアダプターが、「センターマイナス」が多いのが気になっていました。一般的には、「センタープラス」のものが多い気がしますが、同じBehringerでもSWING(CV/Gate&MIDIキーボード)は「センタープラス」ですし、KORGのvolcaシリーズも「センタープラス」です。手近なところで、RolandのSC-55mkII(←取説のPDF)とKORGのX5DR(←取説のダウンロードサイト)は「センターマイナス」で、メーカーでも統一されているとは限りません。理由を調べていて、「エフェクター電源はなぜセンターマイナス仕様なのか」という記事を見つけました。ご参考まで。

M5Stackを使ってみる

2025年11月17日月曜日

volca sample2(サンプラー)のアプリケーションソフトを使ってみる

以前の続きです。このBlogでも紹介したKORGのvolcaシリーズの中で、「volca sample2(以下「sample2」と略記)」というサンプラーを購入して使ってみた話を書きました。

このsample2には、KORGの公式サイトからダウンロードできるアプリが用意されています。このアプリを使うと、sample2の中に入っている音のデータを保存したり別のデータに入れ替えたりすることができます。volca sample2/Librarianから「volca sample Librarian(以下「Librarian」と略記)」アプリをダウンロードして、iMacにインストールして試用してみました。
#sample2のダウンロードサイトに取扱説明書やMIDIインプリメンテーションチャート、各種アプリが用意されています。追加のボーナスパックやサウンドパックなどもダウンロードして使うことができます。

microUSBケーブルでiMacと接続して、sample2の電源を入れてからLibrarianを起動します。Librarianを先に起動してしまった場合には、sample2を起動してからLibrarianを起動し直す必要があります。また、sample2はUSBからの給電では動かないので、ACアダプターからの給電が必須となります。接続に成功すると、自動的にsample2内のデータが参照されて、「PATTERNS」と「SAMPLES」の2項目で表示されます。
#「PATTERNS」を選んで「ファイル」メニューからパターン・データの保存が、「SAMPLES」を選んで「ファイル」メニューからサンプル・データの保存が、それぞれできるようになっています。

試しにダウンロードサイトから入手した「volca sample: Bonus pack vol.1」「volca sample: Bonus pack vol.2」「volca sample: Bonus pack vol.3」をsample2に入れて音を確認していきたいと思います。まず、ダウンロードしたボーナスパックのZIPファイルは、任意の場所で解凍しておきます。これを、Librarianの「ファイル」メニューから開いて、「.vlcspllib」という拡張子になっているライブラリデータを読み込みます。次に、Librarianの「送信・受信」メニューから「ライブラリ・データを書き込み」を選択すると、sample2にデータが書き込まれます。上書き保存されるので、元のデータが必要な場合は、あらかじめ「送信・受信」メニューから「ライブラリ・データを読み込み」でデフォルトのライブラリを保存しておくと良いと思います。

vol.1〜3まで音を確認してみましたが、時間泥棒ですね。(^^;;;(自作スピーカーのせいもあって無駄に音がいいし…)使っていて楽しくなってきました。注意点としては、ライブラリ・データを読み込んだあと、電源を一度落として再度入れ直した方が音いじりがしやすくなる感じでした。特に、あらかじめプログラムされているシーケンスデータで音の確認をしたいときに、ライブラリ・データを読み込んだ直後は、演奏される音に不自然さを感じますが、一度電源を落としてから再度入れ直すとまともに再生されることがわかりました。1音ずつの読み込み/書き込みもできるようなので、しばらくは何ができるか戯れてみたいと思います。

2025年11月8日土曜日

M5Stackを使ってみる〜CORE BASICでUART接続のUnit-MIDIを使ってみる

以前の続きです。前回では、M5StackのM5Stack CORE BASIC V2.7にPORT.C(UART)を追加する「M5StackBasicLite@akita11さん設計・製作)」というベースボードを使って、「UNIT-SYNTH(以下「SYNTH」)」を動かすことに成功しました。今回は、「UNIT-MIDI(以下「MIDI」)」が使えるか動作確認をしていきたいと思います。

「SYNTH」も「MIDI」も同じく仏dream社のSAM2695を内蔵したシンセサイザーユニットで、Arduino IDEのサンプルコード(「drum」と「piano」)も同じのものが使えるようです。Arduino IDEのコード(プログラム)をコンパイルして書き込むのは、いつものLinux Mintで動かしている自作PCを使います。

前回の動作確認で「drum」のプログラムを入れていたので、「MIDI」につなぎ替えて「MIDI」のAUDIO出力から音が出るか確認します。(「SYNTH」にはスピーカーが内蔵されていますが、「MIDI」には付いていません)これも定番になっていますが、YAZAWATVR35WH(アンプ内蔵スピーカー)につないで音が出ることを確認できました。少し歪んで聞こえたので、プリアンプ(ヘッドホンアンプ)をはさむと良いかもしれないと思いました。音を出すことに成功したので、この状態で何も手を加えずにBehringerRD-6(アナログドラムマシーン)にMIDIケーブルでつないで音が出るかやってみました。当然かも知れませんが、何の反応もありませんでした。

そもそも、これまで使っていた「drum」や「piano」のコードには、MIDIの設定らしき項目がなく、Unit-MIDIでMIDIをコントロールできるサンプルコードはないものかと探したところ、GitHubのサイト内に、「M5-SAM2695」のページを見つけました。この中に入っているサンプルコードを使えば、M5Stack Core Basicから「MIDI」を動かせるのではないかと考えて、ダウンロードしてみました。以下備忘を兼ねて、ダウンロードしたサンプルコードをリスト形式で記載しておきます。

※これ以外に、「M5-SAM2695/src/」内の「M5_SAM2695.h」が必要なようです。

この「drum.ino」と「piano.ino」は、「SYNTH」の動作確認で使った「drum.ino」「piano.ino」と同じ名前になっていますが、コードの中身が違います。フォルダ名も同じなので、その違いに気づきにくいかもしれませんが、コードの中身をよく見ると「MIDI」用の設定が追加されていることがわかりました。紛らわしいので、それぞれ「drum_midi.ino」「piano_midi.ino」と名前を変更して使うことにしました。

先程は、「drum.ino」のコードを使って動作確認を試みましたが、今度は「piano_midi.ino」のコードを使って動作確認をしてみることにします。「piano_midi.ino」を開いてコンパイルしようとすると、「M5_SAM2695.h」が見つからないと言われてコンパイルに失敗するので、「src」の中に入っていた「M5_SAM2695.h」をダウンロードして、「piano_midi.ino」ファイルと同じフォルダ内にコピーしてから「→(コンパイル&書き込み)」をクリックしてみました。すると、エラーを出さずにコンパイルが成功して、Core Basicへの書き込みもできました。
#Core BasicとArduino IDEとの接続の設定(「ボード」と「ポート」)は、前回までの記事を参考にしてください。

この状態で、Unit-MIDIにアンプ内蔵スピーカーをつなぐと、プログラムしたとおりに音が鳴ったので、SAM2695を動かすことに成功していることがわかりました。次は、MIDIのコントロールができるかを確認します。前回紹介した、Behringerの「Pro VS MINI」を使って、MIDI信号が正しく出てきているのか確認してみました。Unit-MIDIのMIDI OUTとPro VS MINIのMIDI INをMIDIケーブルでつないでから、Core Basicの電源を入れると、Pro VS MINIが鳴り始めました。これで、無事にMIDIのコントロールができることがわかりました。プログラミングの手間を考えると、1曲丸ごとプログラムしてシーケンサーのように使うという使い方は実用的ではないように思いますが、「本物の電子楽器(語彙不足…)を鳴らせる」ことに、様々な可能性を感じます。

M5Stackを使ってみる

2025年11月2日日曜日

BehringerのPro VS MINIを使ってみる

これまで、Behringerの楽器をいくつか購入して使用してきました。自宅にある、「SWING(32-Key USB MIDI Controller Keyboard with 64-Step Polyphonic Sequencing, Chord and Arpeggiator Modes)」「RD-6-GP(Classic Analog Drum Machine with 8 Drum Sounds, 16-Step Sequencer and Distortion Effect)」「TD-3-SR(Analog Bass Line Synthesizer with VCO, VCF, 16-Step Sequencer, Distortion Effects and 16-Voice Poly Chain)」については、このBlogでも紹介しています。

Behringerは、ドイツ発祥の電子楽器・音響機器のメーカーで、その製品ラインナップには、いわゆるビンテージ・シンセサイザーのクローンがあることでも有名です。その中で、今回は、Amazonのポイントアップで多めにいただいたポイントも使って、「Pro VS MINI」を購入してしまいました。(購入直後に更にディスカウントされてしまって、悶絶しましたが…)このシンセサイザーは、「Prophet VS」の音源を再現したもので、アナログな音を求めて購入しました。デジタルOSC(Oscillator=オシレーター)にアナログVCF(Voltage Controlled Filter)を搭載したハイブリッド・シンセサイザーで、デジタルとアナログの「いいとこ取り」を期待しています。

少しだけ「歴史」を補足しておくと、「Prophet VS」は、もともとSequential Circuits(紆余曲折があって現在はSequentialが引き継いでいる)が製造していたシンセサイザーで、現在のSequentialでは製造・販売されていません。ソフトウエア・シンセサイザーとしては、フランスのArturiaが「Prophet-VS V」をリリースしています。Prophet VSの実機は、中古市場でかなりの高値で取引されている感じです。

若かりし頃、自分のものとして初めて購入したシンセサイザーが、Rolandの「JUNO-106」だったのですが、こちらもDCO(Digital Controlled Oscillator)とVCFとの組み合わせだったので、ちょっと懐かしい音作りができるのではないかと期待して購入しました。
#現在は、Rolandから「JU-06A」というJUNO-60/106のモジュール版が出ています。

驚いたのは、筐体の小ささです。先に紹介したRD-6やTD-3と比べると半分程度の大きさしかなく、厚みも半分くらいです。KORGのvolcaシリーズよりも小さくて、正直なところ「おもちゃを買ってしまったか…」と思いましたが、落ち込んでても仕方がないので音を確かめてみることにしました。筐体に付いているタッチスイッチ(センサー)は、感度と演奏性が良くないので、今回もRolandのPC-300(MIDIキーボード)をつないで音を出してみました。volcaシリーズには、簡易ながら本体にアンプとスピーカーが内蔵されていますが、Pro VS MINIにはありません。ヘッドホン出力(ステレオミニTRS)からの信号を「Lepy LP-838」(←過去に説Blogにて紹介した)を通して視聴用の自作スピーカーサブウーファーも付けて)から音を出しました。

あえてエフェクターをかけずに音を確かめてみましたが、ゲームコントローラーのアナログスティックのようなレバーを使った音作りが特徴的で、どの向きにどのくらい傾けたらどんな音になるんだろうと、しばらくはかなり楽しむことができました。音のデータなどが表示されるLCDパネルに、リアルタイムに波形が表示されるのも音の変化を視認できて面白い工夫だと思います。プリセットの32音色も良い音が揃っているので、自分が作りたい音に近いものを選んでそこからエディットしていくという使い方が良いと思いました。
#音作りをしていく中で、音量が大きくなりすぎることがあって、MIDIキーボードから音量をコントロールできたら良いと思ったのですが、モジュレーションとベンダーは使えるものの、ボリュームのコントロールが全く効きませんでした。(もしかすると設定次第なのかもしれませんが…)

2025年10月26日日曜日

volca sample2(サンプラー)を使ってみる

このBlogでも紹介してきたKORGのvolcaシリーズですが、volca fm2にはじまって、volca modularを買って2台になり、さらにもう1台volca sample2を購入して3台目となりました。今回もAmazonで少し安くなっていたものを、ためていたポイントも使ってお得にGetしました。

昔から、サンプラーには憧れがありましたが、さまざまな「音」に音階を付けて演奏できることや、「音」を加工して新たな音を創り上げることに興味をもっていて、いつかは手に入れて、使い倒してみたいと思っていました。待望のサンプラーを手に入れたので、直感的に操作しながら使い方を確認してみました。
#イマドキは、ソフトウェアでやってしまった方が効率的なのかもしれませんが…。(フリーのサンプラーソフトも結構あるみたい)

電源を入れた直後に出せる音を確かめると、1〜9のステップボタン(タッチスイッチ)にドラム音やSE音が割り当てられていて、ドラムマシーンのような使い方ができるようになっていました。試しに「▶(PLAY)」ボタンを押してみると、もともと設定されているSampleの音楽らしきものが流れました。内蔵されているドラム音やSE音が使われていて、ドラムマシーンのような感じでした。音を変更したいときには、1〜9のステップボタンの内、変更したい音のステップボタンを押してから、「SAMPLE(Sampleセレクター)」ノブを回して音を選びます。ステップボタンを押して音を確かめて、「SAMPLE」ノブを回して音を選ぶことを繰り返しながら、演奏に使いたい音を選んで気に入った組合せを作ることができます。
#そのまま電源を落とせば、初期設定の音に戻ります。

ステップボタンでの演奏では、お世辞にも演奏性が良いとは言えないので、長年愛用しているRolandのMIDIキーボード(PC−300)を接続してコントロールできるかやってみました。MIDIキーボードにつないだ状態で鍵盤を押すと、どの鍵盤を押しても同じ1つの音が出ます。MIDIキーボード側のMIDIチャンネルを変更しながら確かめてみると、volca sample2の1〜10のステップボタンには、そのまま1〜10のMIDIチャンネルが割り当てられていて、MIDIキーボードのMIDIチャンネルを「1」にすれば、ステップボタンの「1」に割り当てられた音が、MIDIチャンネルを「2」にすれば、ステップボタンの「2」に割り当てられた音が出るという仕組みになっているようです。ステップボタンに割り当てる音を変更することで、MIDIキーボードから様々な音のON/OFFをコントロールすることができるようになります。
#MIDIチャンネル10は、音を割り当てても発音しませんでした。「10」のステップボタンを押すとLEDが光るので、何か動いている感じです。

デフォルトでマルチチャンネルになっているMIDIチャンネルを1つのMIDIチャンネルに固定したい場合は、一度電源を切って「FUNC(FUNCTION)」ボタンを押しながら電源ボタンを押して電源を入れます。すると、グローバル・パラメータの設定ができるようになるので「10(Step10)」ステップボタンを押してから「SAMPLE」ノブを回すと1つのMIDIチャンネルを選ぶことができます。(「10」ステップボタンをもう一度押すと、マルチチャンネルモードに戻すこともできます)設定が終わったら「●(REC)」ボタンを押すと設定が記録されます。MIDIキーボードのMIDIチャンネルを合わせて設定すると、1〜9のステップボタンに割り当てられた音が、C3〜G#3までの鍵盤に割り当てられて格段に演奏がしやすくなりました。
#この設定は、電源を落としても保存されているので、次回以降は、同じ作業をする必要がありません。

試しに、volca sample2とMIDIキーボードのMIDIチャンネルを10にそろえてみましたが、問題なく演奏することができました。これならば、MIDIデータのドラムパートをvolca sample2に任せるという使い方も可能になります。別のドラムマシーンとチャンネルを共有して、音に厚みを出したり足りない音を補ったりするという使い方も可能になると思います。
#MIDIキーボードのモジュレーションとベンダーを触らなければ、ボリュームのコントロールもできました。何故かモジュレーションとベンダーを触った後は、ボリュームのコントロールができなくなりました。(相性問題の可能性もあり)

今回は、「音を出す」ことをメインに動作確認をしてみましたが、サンプラーの使い方としては、さまざまな音を使って、それを加工したり音程をつけたりして楽曲に活かすような使い方を目標としています。volca sample2のダウンロードサイトには、取扱説明書やMIDIインプリメンテーションチャート、各種アプリが用意されていて、追加のボーナスパックやサウンドパックなどもダウンロードできます。Macなどで録音したものを加工して使うこともできるらしいので、どんなことができるのか試行錯誤してみたいと思います。